私の好きなAbdurahmanovic作品③
Fadil Abdurahmanovicは、2008年までの彼の傑作を纏めた作品集『The Wizard from Sarajevo』(収録作の殆どはHelpmate)を発表しているので、この連載で興味を持たれた方はぜひ入手して欲しい。
今回と次回は、pinに関するテーマを用いた彼の傑作を紹介しよう。ラインピースの使い方に注目である。
U.S. Problem Bulletin 1990 1st Prize Version
H#2 2solutions
1.Kd3 Bh7 2.Bd7 Rd5#
1.Kb4 Rb8 2.Rc7 Ba5#
初形にある2つのpinは使わずに、Kとの間に2枚も挟まった隣のラインでpin-mateを築き上げる。その手順の発見し辛さもさることながら、何と言っても注目すべきは白の駒の働きの素晴らしさだろう。完璧な作品。
with Lj. Ugren
feenschach 1978 1st Prize
H#2 b)Pc4→g5
a) 1.Ra5 0-0 2.Bb5 Rae1#
b) 1.Ra4 0-0-0 2.Bb4 Rhe1#
2つのhalf-pinとcastlingの合わせ技で、詰上りは当然double pin-mateになる。ツイン設定が答えを示唆しているという欠点はあるものの、異様な初形が印象に残る名作だ。
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