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黎明期のOrthodox傑作選 03

今回紹介する3作は、いずれも「1手の驚き」がテーマだ。最後の作品以外は易しいので、解図してみることを強くオススメしたい。


Samuel Loyd
Schachzeitung ? 1868

#3

1.Qh6
1...Kb4 2.Qc1 Ka5 3.Qa3#
1...Ka5 2.Kb3 b4 3.Qb6#

Qが最遠移動し、さらに回転する。それを盤上5枚で実現しているのが素晴らしい。


Samuel Loyd
New York State Chess Association February 22, 1892

#2

1.Ra6 (2.Qf1#)
1...Kxf5 Rf6#
1...Rxf5 2.Rxa4#
1...gxf5 Bg5#

こちらはより短編作家的な作り。最遠移動したRをスイッチバックする変化がメインで、f5での2通りのセルフブロックが華を添える。
上手く出来ているのだが、初形に最遠移動を出すための装置が丸見えなため、上の作品ほど驚きはないかもしれない。これは2手メイトの宿命と言えるだろう。




Samuel Loyd
First Prize Set  American Chess and Problem Association  Turf, Field and Farm 1878

#4

1.Qf8 (2.Sxd5 any 3.Sxc3 any 4.Qb4#)
1...Kxa3 2.Sbc2+ Ka2 3.Qa3+ Kb1 4.Qa1#
1...Kc4 2.Sxd5 Kxd4 3.Sxc3 Kxc3 4.Qb4#

折角強そうな位置にいるQを1.Qf8と遠くに飛ばしてしまうのが、驚愕のkey move。Loydとしても自信作だったようだ。


Samuel Loyd特集はここまでとしよう。次回は、こちらも19世紀に活躍したPhilip Klettの作品を鑑賞する。

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