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「Fairy World」を読む(20)

今回は似たようなテーマのH#4が2作です。


163番

Schach-Echo 1979 (FIDE ALBUM 1977-79収録作)

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H#4 2solutions

1.Bh3 Bxf6 2.Qg4+ Kc3 3.Qd7 Kd4 4.Be6 Be5#
1.Re1 Bd4 2.Qe2 Ba7 3.Qe7 Kc4 4.Re6 Bb8#

B/Rが最遠移動してQをラインの中にいれ、元いた位置(d7/e7)をQにself-blockしてもらうという派手な手順。どちらの解でも、Qがe6をブロックしたのでは詰まないことを確認しておこう。このような、ある駒が通った道をある駒が追いかける動きをチェスプロブレムの世界ではBristolと呼んでいる。いつもながら、白の手がダブらないように出来ていて好感が持てる。


170番

Canadian Chess Chat 1981 (FIDE ALBUM 1980-82収録作)

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H#4 b)Kb8→c8

a) 1.Bg2 Ke6 2.Qf3 Kd7 3.Qa8 Kd8 4.Bb7 Sd7# 
b) 1.Bh2 Sg6 2.Qg3 Ke7 3.Qb8 Ke8 4.Bc7 Se7#

こちらもBが最遠移動してQを挟み込んで、また戻ってくるテーマ。ちなみに、a)手順のようなBが元の位置に戻ってくる(Switchback)場合は特にKlasinc themeと呼ばれる。Echo matesと呼べるかは微妙なものの、白の2枚だけを見るとツインで横に1つ動いた詰み形にはなっている。

163番もそうだが、白の駒2枚の動かす回数が2手順で異なっているにも関わらず上手く纏めあげる方法はとても参考になる。


長く続いたこの連載ですが、いよいよ次回で最終回となります。


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