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詰パラ706号

青のKKさんの「温故知新」人気に憧れて、私も詰将棋の連載をやろうと思い立った。温故知新で絶対に扱わない最近のパラでも読み進めていきましょうということで、何となく手にとったのが詰パラ706号(2015年1月号)。

当時の学校担当は

小学校:水谷創
中学校:中島清志
高等学校:仲西哲男
短期大学:石黒誠一
大学:利波偉
大学院:安武翔太

という面々。あぁ懐かしい。

結果稿から3作紹介する。


宮原航 & 久保紀貴

詰パラ2014年10月


45龍、44桂、34桂、53玉、56龍、同桂、45桂まで7手。

余分な装飾一切なしのダブルの表現。こういう構成が好き。


武島広秋

詰パラ2014年10月


26銀、36玉、37銀打、27玉、28飛、16玉、34馬、25桂合、18飛、27玉、45馬、同馬、28飛、16玉、17歩、同桂成、同銀、同玉、29桂、16玉、26飛まで21手。


34馬を同馬とすると17銀、同玉、18歩。解説には森田手筋の最小の組み立て(盤上7枚)と書いてある。
しかし以下の野村量作(盤上6枚)があるのでは?

将棋世界1993年12月

23銀左生、15玉、42角成、24桂、14銀成、同玉、32馬、15玉、16歩、同桂、14馬、同玉、23龍、15玉、27桂まで15手。


田島秀男

詰パラ2014年10月


86香、85桂合、同香、84桂合、同香、83桂合、同香生、82桂合、71香成、同玉、79香、78歩合、同香、77歩合、同香、76歩合、同香、75歩合、同香、74歩合、同香、73歩合、同香生、72歩合、61金、同玉、52成銀、同玉、64桂、41玉、42歩、32玉、33歩、同銀、43金、21玉、22歩、同銀、32金打、11玉、22金、同玉、23歩、12玉、13歩、同玉、14歩、23玉、13歩成、同玉、14銀、12玉、13歩、11玉、23桂、21玉、22歩、同玉、34桂、21玉、31桂成、同玉、41歩成、21玉、31と、同玉、42成桂、21玉、32成桂、11玉、12歩成、同玉、23銀成、同玉、33金、13玉、14歩、同玉、25金、同玉、27龍、同と、36銀、14玉、15歩、同玉、25飛、14玉、23飛成、15玉、25龍まで91手。

桂4連合+歩7連合を同じ舞台で成立させるという離れ業。桂連合は92香成から93金の筋を消したものだが、歩連合の意味付けは難しい。例えば79香に77歩合とすると、72歩、同玉、73歩、83玉、84歩、同玉、95金、75玉、67桂、65玉、64金、76玉、68桂以下。この時に香の位置が78なら67玉から脱出できる。このように、右から打つ桂に対して桂頭→香取りという逃げ道を用意するというのが連合のロジックになっている。

テーマ部分に比べてその後の処理が長くなるというアンバランスさは、この手の作品における大きな欠点になる(その点、山中龍雄作の歩7連合はアンバランスさ自体を感じさせない奇跡の作だ)。本作は15枚にまで膨れ上がった持駒を右上でのコクのある手順で使い切っており、作者のテクニックを堪能できる。
しかし本作ですら、田島氏の作品群の中では驚きの少ない部類に入ってしまうのだから恐ろしい…

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