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Zivko Janevski - Selected Helpmates 03

今回はFIDE ALBUMに収録された作品が3つ揃いました。ちなみに、Krikheli作品集を解説した時にはALBUM収録作は全て載せていましたが、今回はそのスタイルをやめました。理由は簡単で、あまりにも多すぎるからです。


14番

Rokada 1980 (FIDE ALBUM 1980-82収録作)

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H#2 4solutions

1.Kd3 Sd4 2.Re4 Bb5#
1.Kd5 Bb5 2.Se4 Sf4#
1.Kf3 Sf4 2.Qe4 Bh5#
1.Kf5 Bh5 2.Be4 Sd4#

黒は初手にKが斜め4箇所に動くStar-flight、2手目にQ〜Sという4種類のe4着手(Play on the same square)。そして白は、4解で手のcycle!AB-BC-CD-DAという構成になっているのを確認されたし。シンメトリックなので解自体は面白くないが、解の間にあるパターンは充分楽しめる作品。


17番

1st-2nd Commendation ContraMosso 1981 Version (FIDE ALBUM 1980-82収録作)

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H#2 3solutions

1.cxd5 Bc2 2.d4 Rc5#
1.Sxf5 Re3 2.Sd4 Sb6#
1.Bxe5+ Sf4 2.Bd4 Bxe6#

いかにも白の駒を取りたくなる初形だ。実際に黒のP、S、Bを使って取るのだが、その駒を2手目にもう一度動かして同地点をself-blockする(play on the same square)のが面白いところである。また、取られた駒と詰ませる駒が入れ替わるテーマ(Zilahi)を3解にしてサイクリックに実現しており、これを専門用語でcyclic Zilahiと呼ぶ。さらに注目したいのは、白の動かす駒もBR、RS、SBというcycleを構成している点だ。とても綺麗に出来ていて好作。唯一気になるのは、3解目だけが最終手駒取りになってしまっている点か。


21番

2nd Place Skopje - Rjazan Match (Novi Temi) 1981 (FIDE ALBUM 1980-82収録作)

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H#2 2solutions

1.Bxc6 Sxb2 2.Be4 Sc6#
1.Bxe5 Sxc2 2.Bf4 Se5#

half-pinを構成する黒Bが、2本のbatteryのrear pieceに当たっている。Helpに慣れてくるとこういうのは取る1手だと分かるはずだ。黒の2手目はRのラインを切るための限定移動で、最後はもちろんpin-mate。黒Pを取るように作ることで、合計4回のSの移動先を簡単に限定できている。


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