「Fairy World」を読む(11)
今日はちょっと良い気分。
79番
Schach-Echo 1st Prize 1969 (FIDE ALBUM 1968-1970収録作)
H#3 2solutions
1.Sd3 b4+ 2.Sxb4 Sc7 3.Sc6 Se6#
1.Rc6 b3 2.Sxb3 Sb6 3.Sd4 Sd7#
白が手待ちのためにwPをsingle stepとdouble stepして取らせる(tempo sacrifice)。それによって非限定に見えるbSの動きがそれぞれ限定される。このセンスには憧れるなぁ。
82番
Schach 1st Prize 1969
H#4*
1...Bd1 2.Kg6 f3 3.Kh5 Bg5 4.Sg6 f4#
1.Se6 Be3 2.Kg7 f4 3.Kh6 Bg6 4.Sg7 f5#
set playと本手順でbSの跳ね方が変わってecho mateになるというパターンはこの連載の第一回でも見た(マガジンから遡ってください)が、本作はwPを使って簡潔に纏めた。
90番
Feenschach 1969
H#2 2solutions
1.Qa2 Sd2 2.Bf6 Sf3#
1.Qa3 Sc5 2.Rg4 Se6#
Sでメイトにする時に白のラインピース(R, B)の利きを切ってしまうので、それを見越してself-blockしておく。問題となるのは1.Qa2 Sc5 2.Rg4 Se6?とする順だが、これには3.Qxe6があって逃れる。このQのe6への利きがRc4の存在によって一時的に隠されているのが良い。同様に、1.Qa3 Sd2 2.Bf6 Sf3?とするのも、Bc3が動いたことにより3.Qxf3がある。また、黒のRとBの交点をd4に設定することで、1...Sd4とは指せない点もうまく出来ている。佳作。
179作収録で90番ということは5合目まで来ました。ここからが大変ですが頑張ります。