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詰パラ709号

この号では半期賞の発表があった。半分以上の学校について、もし自分が担当だったら別の作品を選んでいただろうと思う。もちろん評価は人それぞれなのでどの作品を賞に選んでも良いわけだが、その作を選んだ根拠を述べるのがJudgeとしての責務だと思う。


上谷直希

詰パラ2015年1月

18香、17桂合、36飛、25玉、38飛、16玉、17香、同玉、18歩、16玉、36飛、25玉、37飛、16玉、28桂、同香成、17歩まで17手。

最終手非限定は少し気になるが、飛が1つずつ前進していく様は充分楽しめる。センスの良さが伝わる構成で、こういう作はwithout depthな方がむしろ良い。


深和敬斗

詰パラ2015年1月

27飛、16玉、61角成、25桂合、17飛、26玉、38桂、同龍、62馬、35龍、27飛、16玉、17歩、同桂成、52馬、25桂合、17飛、26玉、38桂、同龍、53馬、35龍、27飛、16玉、17歩、同桂成、43馬、25桂合、17飛、26玉、38桂、同龍、44馬、35龍、27飛、16玉、17歩、同桂成、34角、25桂合、17飛、26玉、38桂、36玉、45角、同龍、26馬まで47手。

森田手筋と馬鋸の組み合わせで、1サイクルごとに森田が登場。打歩誘致のための35龍移動合という手順設定がうまく、全く無理のない繰り返しが実現できている。着地も完璧で、作者の才能が発揮された秀作。


最後に、名局ライブラリーで紹介されていた作を。

安田誠

近代将棋1979年6月

32角、24玉、35銀、同玉、36金、24玉、34角、26と、23角引成、15玉、27桂、同と、24馬、同玉、25金まで15手。

角の限定打からはじまる、初形から想像される以上の好手順。こういう作品は狙っていくつも作れるとは思えない。ちなみに12歩は21桂でも良いらしい。

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