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Zivko Janevski - Selected Helpmates 07

今日は久々にあのテーマが登場します。

43番

Marjan Kovacevicとの共作
1st Prize Diagrammes 1986 Version (FIDE ALBUM 1986-88収録作)

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H#2 3solutions

1.Rd1 Qh2+ 2.Rxh2 Sxe4# 
1.Qf5 Qxf3+ 2.Bxf3 Sxf5# 
1.Qh5 Qg2+ 2.Sxg2 Sxh5# 

白Sを跳ねることが出来ればメイトになる。黒は2手かけてその手助けをしたいのだが、問題となるのは白のもう1手だ。全ての駒が戦地にいるため、楽な待ち方(tempo move)が存在しない。そんなわけで、Qによる3種類のtempo sacrifice(tempoを失うための捨て駒)が登場する。白Qを置いている割には、余詰消しの駒が少なく済んでいると言えるだろう。

以前「Fairy Worldを読む」でSによる3種のtempo sacrificeを紹介したので、引用しておこう。

losif Krikheli作
Schach-Echo  3rd Prize 1975 (FIDE ALBUM 1974-76収録作)

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H#2 3solutions

1.Sc3 Shf1+ 2.Rxf1 Kxb4#
1.Sf6 Sxf3 2.Bxf3 Kxb5#
1.Sc7 Sg4+ 2.Rxg4 Kd6#


44番

2nd Prize Mat 1986 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)

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H#2 2solutions

1.Sc3 f4+ 2.Sf3 g6# 
1.Sc4 g6+ 2.Sg5 f4# 

盤の中央にある2枚の黒Sの使い道が問題だが、片方でQかRのラインを止めて、もう一方はself-pinにしておけば、Pを突いて詰みそうである。試しに1.Sxf3としてみよう。これは2.Sc3 g6での詰みを目指しているが実は白の初手にtempo moveが無い。Pを取らずに白にP突きの余地を与えるのが正解。2解目も同様に1.Sg5 ?? 2.Sc4 f4#の紛れが付いている。


46番

2nd Prize Kotelec 1987 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)

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H#2 4solutions

1.Kd4 f8=Q 2.Rce5 Qfxb4#
1.Kf4 f8=S 2.e5 Se6#
1.Kd6 f8=R 2.Qe5 Rd8#
1.Kf6 f8=B 2.Se5 Be7#

黒KのStar-flight、white AUWに加えて、e5でのplay on the same square。H#2 4solsでテーマを3つ盛り込む作り方は作例が多いため、どれが良くてどれが普通なのか評価が難しい。とはいえ、JanevskiやAbdurahmanovicは頭1つ抜けている感じがする。


※珍しく大きなミスを見つけたので、この本を持っている人にご連絡。45番のツイン設定、b)はBg1→d8です。

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