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Uri Avner作品集を読んでみる 1-3

新刊なのでたくさん紹介するのは少し気が引ける。間に良い作品も多いのだが、一気に52番まで飛ぶことにしよう。


52番

Michel Caillaudと共作
TT Andernach 1992 2nd Prize

#4

1.Ra2! [2.Kb2 (3.Rxa6#) 1...S~ 2.Sc7#]

1...hxg1=B 2.e3 (2.Kb2? Bb6!)
2...Bh2/Bf2/Bxe3
3.Rxh2/Rxf2/Re2 S~ 4.Sc7#

1...h1=B 2.e4 (2.Kb2? Bc6!)
2...Bg2/Bf3/Bxe4
3.Rxg2/Sxg2/Re2 S~ 4.Sc7#


1.Ra2!が驚きのあるkey move。
このthreatには、1...hxg1=Bとunderpromotionで受ける。普通にQに成ってしまうと2.Kb2 Qb6 3.Ra6 Qxa6 4.Sc7#で詰みなので、B成から2.Kb2 Bb6 3.Ra6=でself-pinしてstalemateに持ち込もうという狙いだ。
対して白はunderpromotionを逆に利用するため、2.e3で黒Bの可動域を狭める。黒はどう受けても最終的にa6Sしか動かす駒が無くなり、メイトに至る。もう一つの受け、1...h1=Bも同様。黒Bの移動先を3通りに狭める2.e4が決め手だ。


keyが目立つ作品なので、それ以降の手順はおまけのように映るかもしれない。しかし、いずれも2手目の黒の変化が3通りで、Bを取る変化が2つとBをpinする変化が1つという中身も同じ。私は初手以上に、この部分の統一感の方を評価している。

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