Tsumehouseというパズル 4

前回の最後に紹介した作品の解説から行きましょう。


自作 note 2020/12/3

Tsumehouse  39te(39手)

画像1

持駒 P  ※打P詰は可

{25P、15K、46(56〜76)R、25K、26R、14K}をA手順とする。

作意:A手順×4、25P、15K、86R、25K、36P、14K、94R、24P合、同R、13K、14R、同K、25P、13K、46Bまで39手。


初手は25Pと打ちます。13Kには16Rや46Bで詰みなので2手目は15Kになります。そこで、3手目46Rとして開き王手しながらPを取るのが自然な着手。26P合は少し気になりますが、同P、25K、36P、14K、25P、13K、24P打までの詰みです。(これは打P詰不可でもすぐ詰みます)よって26P合はダメ。4手目は25Kに決まります。対して白は26Rと戻る一手です。14Kと逃げたところで、持駒は変わらず初形から46Pだけが消えた形になりました。これが1サイクルです。6手目14K以外の手はというと、15Kは24Rまで、35Kは46P、45K、25R、36K、35Rまでで早いです。

そこからはサイクルを繰り返してどんどんPを取っていくわけですが、そこで一つ疑問が湧くはずです。黒のPを全部取ることにいったい何のメリットがあるのか?よくあるのは、86だけ別の駒が置いてあるパターンや、黒Pが消えたことで別の白駒が動かせるパターンなどですが、今回はそういう仕掛けがありません。

その答えは最後のサイクルで判明します。86R、25Kと全てのPを取りきったところで36P!と打つのが収束へ向かう一着。(下図)

途中図

画像3

ここから、14Kに84R!で連取りの意味がわかります。これが54Rや74Rは同Pと取られてしまうし、64Rは白Pが邪魔で指せません。つまりRを取られないために最遠までサイクルを繰り返したというわけです。しかし、まだ謎は残っています。それは44Rもあるのでは?ということです。たしかに44Rも、取られることなくRを4段目に運ぶことができる着手です。これを解決する鍵は前述の36P!に対して35Kと逃げる変化に隠れています。この時、86R型では26Bの一手詰ですが、46R型では26B、46Kで逃れるのです。この意味付けが本作のメインテーマとなっています。

あとは収束です。84Rに対しては、74P合よりも24Pと捨合するほうが4手長くなります。最後は何度も動かしたRを捨てての収束で、味は悪くないかと。


本作、元々は打P詰禁止で作っていたのですが、収束で24P合に変えて13Kで41手駒余りとなる変長がありまして(アドバン氏指摘)、打P詰可とすることでその問題を解決しています。そのルール変更で他の部分が壊れていないかだけが心配です。


自作 Twitter  2020/12/4

Tsumehouse   9te

画像2

持駒 R

26B、35P合、43R、54K、45P、46P、53R、45K、55Rまで9手。

(1.Bg3 Pf4 2.Re6 Kd5 3.e4 e3 4.Rd6 Ke4 5.Rd4#)


まずは26B。ここで54Kには64R、45K、44Rまでがあります。よって合駒を打つよりありませんが、次の43R、54K、45Pが見えているだけに、45Pを取れるようにR合をするのが自然ですね。だから正解は、

26B、35R合、43R、54K、45P、同R、53Rまで7手。

というのは実は間違い。R合に変えてP合するのが作意です。そのこころは……6手目のen passantです。白PのダブルステップからP合の臭いを感じ取れたでしょうか。普通、駒を取るというのは「取られる駒が居る地点に移動する」という行為ですが、en passantだけは取られる駒が居る地点に移動せずに駒を取ることが出来るという性質を持っています。bKの壁になる地点を一段下げることで、2手延命することが出来るというわけです。


今回はここまで。

また面白いものが出来たら更新しようと思います。それよりも、誰か他の方が作ってくださると嬉しいのですが。その時はここでも紹介しますし。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?