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黎明期のOrthodox傑作選 08

今回紹介するOtto WurzburgはShinkmanの甥であり、複雑な戦略的作品からボヘミア派的なecho model matesまで、非常に幅広いOrthodoxを創作した偉人である。


Otto Wurzburg
V Bahn Frei 1895

#3

1.Bh3 (2.Qg4〜3.Qc8)
1...a5
2.Qa6
2...Kxa6/Ka8
3.Bc8/Qc8#

ラインに強い駒を重ねるためのBの最遠移動。1...a5の受けに対してQを捨て去るのが絶妙の1手で、19世紀のOrthodoxでは外せない傑作である。


Otto Wurzburg
American Chess Bulletin 1st Honorable Mention 1945

#3

1.Kd7 (2.Qa8〜3.Qxg2)
1...Rg7+ 2.Qxg7 Kxh2 3.Qg2#
1...Rg6 2.Bd6+ Rh6 3.Qa8#

遠く離れた白Kを動かすのが驚きのkey。1.Qh7で2.Qe4を狙う方が自然に思えるが、それでは1...Bxh2から2...Bc7+がcheckになってしまうのだ。1.Ke7がダメなのも同じ理由で、つまり白Kを白マスに運ぶのが重要なのである。黎明期と呼べる時代の作品ではない気もするが、pattern play以前ではあるため紹介することにした。

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