私をオタクにした作品4選(1)
Twitter上で #あなたをオタクにした作品4選 というタグがあって、私も何かツイートしようと思ったが、Twitterでは字数制限もあるのでnoteに書くことにした。最近とても忙しいので、間隔を空けて1作ずつ書いていきたいと思う。
実は、私の詰将棋創作歴はもう少しで丸10年になる。とは言っても、そのうちの殆どの期間は「オタク」と呼べるほどの活動をしておらず、最近になってようやく作風らしきものが出来てきたような感じだ。
そんなわけでまず1作目は、私の現在の作風を構築してくれたこの作品である。
相馬慎一作 twitter 2018年7月
33龍、25角、34龍、15玉、59馬 まで5手。
普通なら34龍と両王手するところだが、15玉で何故か詰まない。そこで、33龍!と両王手を拒否し、角に香筋を遮らせた後で34龍が奥ゆかしい解決手段となる。
*このような手順をチェスプロブレムの用語を借りてTempo move(テンポ・ムーヴ)と呼んでいる。ただし、本来の意味でのTempoは一手パスであり、それは伝統ルールでは実現不可能である。詰将棋におけるテンポとは、「一手パスに見える」不利感ある手段のことを指し、別に両王手拒否に限るものでもない。
当時の私は、超短編でテーマを強く打ち出した作品を見たことがなかった(もし見ていてもテーマ性を意識してこなかった)ので、とても衝撃を受けた。
「たったの5手、使用駒9枚でここまで出来るのか!」
というこの時の驚きが、今でも私に超短編を作らせているのだ。作者はそれほど気にも留めてない1作だろうが、私にとっては忘れられない名品である。
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