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Uri Avner作品集を読んでみる 2-5

今回も長編です。案外、短編よりも鑑賞し易いと思います。


56番

The Problemist 1992 1st Prize

S#6

1.Qc8! (2.Qxc5+ Kxc5 3.Rc8+ Kd4 4.Sc6+ Kc5 5.Scb4+ Kd4 6.Sc2+ Rxc2#)

1...Bxe7 2.Rxd5+ Kxd5 3.Qf5+ Kd4 4.Be5+ Kd5 5.Bxg3+ Kd4 6.Bf2+ Rxf2#

1...Sf6 2.Be5+ Kxe5 3.Rxg5+ Kd4 4.Sf5+ Ke5 5.Sxg3+ Kd4 6.Se2+ Rxe2#


Qを捨ててR-Sのバッテリーを作り、Sc2+と捨てるのがthreatで、これに対する受けを探す。h2Qやb1Sを動かすのは受けにならないため、手は見た目以上に限られている。
分かりやすい受けは1...Bxe7とSを外す手だ。この場合はSのd5への利きが無くなったのがキーポイントで、Rxd5+とこちらに穴を開けることが出来る。そしてQ-Bのバッテリーを構築し、Bf2+が決め手。
もう1つの受けは1...Sf6でRのラインを切る手。こちらはf6がセルフブロックされたのが白にとっての利点だ。つまりg6Rが動かせるようになったので、R-Sのバッテリーを作りSe2+で幕となる。

黒のバッテリーの開かせ方が3パターン。長手数でありながら全体の構成・統一感に寸分の狂いもない名作。

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