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極光Ⅱの感想を書くだけ(2)


21番:16番と同じ連取り趣向。Neutral駒は難しくて苦手なので16番の方が好き(素人感想)。

22番:久しぶりに脳内で並ぶ手数のものが来てくれた。あまり上田さんらしくない印象だ。

23番:馬鋸は序奏。本題は合駒で出る角を利用したと金を往復鋸である。興味深い手順で好作と思う。Grasshopperのための跳び箱(と私は勝手に呼んでいる)を準備するというのは、長編で使いやすそう。

24番:Horizontal Cylinder盤を使って駒の回転成。おそらく新ネタではあるだろう。対照性は微妙だが、この盤の性質と角の性質が合わないのが原因。そういう意味では、ツインには向かないネタだったのかもしれない(もしくは、ツインで盤を変更するのもありか)。

25番:図巧に載っていても驚かない(?)超古典的新作。こういうの私は好きですよ。

26番:作意設定に違和感あるが、それを言語化できない。解説を読むに、作るのがとても難しいようだ。

27番:追加配置+持駒推理。完璧なODTとなっていて素晴らしい。

28番:盤端を周回する普通の趣向作かと思ったら大間違い。89馬(99金)から98馬!で逆回転に入る。金をカドに置いておくことでGiraffeだけを逆戻りさせられるわけだ。91と11でも同じことが起こり、その度に馬の移動回数が増大していくことになる。最終的に馬の連続移動は1247回。文句なしに面白い作品。

29番:19番に続く駒の取り方問題。これはフェアリー詰将棋というよりは将棋パズルという気がする。ところで、この作品集はどういう順番で作品が並んでいるんだろう。手数順とか発表順では無いようだが。

30番:ばか詰で成生非限定は不完全のような……中立覆面駒は難しいのか、上田さんでも遊びきれない世界らしい。

31番:これまた綺麗なODTで複数解の作法通りの構成。飛合・角合に対して桂合・G合というのは少し変わった感じだ。

32番:裸玉から繰り広げられる角連続不成と飛の大きなSwitchBack。作者自身が会心作というのも頷ける。

33番:20枚以上並ぶPyramidは、その内側しか通れませんというガードレール。Maximummerルールによって(Rook-Locust+飛)の動きが非常に制限されているため、毎回Vizirを近くに連れてこなければならない。最後は馬に24をブロックさせて詰上り。6110手の超長編だが、こういう作りだと余詰まないような気がする。

34番:かしこ詰なので、単純なように見えて結構考え所がある。32龍1枚で左上も右下もコントロールし切っているのはお見事と言う他ない。

35番:まさに「マンガ風の仕上がり」。盤隅でだけ可能な手数短縮も気が利いている。

36番:ホッと息抜き。

37番:全体の構成に寸分の狂いも無い好作。ただ、作者はもっと遊んでいる作品の方が好みなのかもしれない。

38番:「マス目の中心に点を打ち、Neutral Nightriderの軌跡を作意順通りに各点を線で結ぶと、盤面に46本の線が描ける。これが本局のイメージである」
う〜む。作者の頭の中を覗いてみたい。傑作。

39番:まさに上田流!90年発表ということもあって伝統ルールの風味が強く残っている(フェアリー駒無し、ルールもオーソドックスなばか打歩詰)。とはいえ、もちろん伝統ルールでは不可能な合駒の連続で、微妙な局面変化を繰り返す。素晴らしい。

40番:かしこ詰は解くのも難しければ評価も難しいと個人的に思っている。作意手順を追っただけでは本作の価値は分からなかった。これから読む人には、是非解図してみてほしい。妖精賞受賞作。

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