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5th ISC 2009-Round 2 後編

Round 2の前半3問は30分で2問解けてまずまずの調子でしたが。さて後半は?

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10) S. Hornecker, M. Minski  Original (Problem-Forum 2009)

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10番はendgame。これは基本ルールが分からないのでいつもすぐ諦める。解答競争に出る上では、完全な捨て問があるのは辛いところ。作意は以下。

1. Sg4+ (1) Txg4+ 2. Kxg4 Tg5+ 3. Kxg5 (1) Se4+ 4. Kg4 g2 5. Tf1 (2) gxh1D 6.Sf3+ Kxd5 7. Txh1 Sf2+ 8. Kg3 Sxh1+ 9. Kg2 Kc4 10. Sd2+ (1) Kc3 11. h4 +- 

(1.Txf5+? Sxf5+! 2.Sxf5 Kxf5 3.Sf3 gxh2 4.Sh2 Ke4 5.Td1 Td6 6.Sg4 a4 7.Kg3 a3
8.Kf2 a2 =)
(1.hxg3? Txf3 2.Sxf3+ Ke4 =)
(1.Txg3?? Th6+! 2.Kg4 Tf4+ 3.Kg5 Sf7#)
9…. a4 10. Sd2 a3 11. Sb1 a2 12. Sc3+ +

なるほど。5.Rf1がちょっとした好手だ。最後白が勝ってる理屈もわかる。ただ、序の変化で「こっちに逃げたらどうなるの?」というところが多すぎて、答えをみても納得いかない。これではいつまで経っても解けるようにならないだろうなぁ。


11) R. Arnold  Original

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私はプロパラで担当をしていることもあって、一番見る機会が多いジャンルはヘルプなのだが、ISCの過去問ではいつもここで苦しめられる。というのも、良い作品じゃないからである。ヘルプは全ての手を考えるとあまりにも紛れが多いので、メタ読みとでも言うか、対照性があるはずだからこう!とか、良い手順が出てくるに決まってるからこう!みたいな解き方をする。それが通用しないのがISC。困ったものだ。

本作も単解の5手で解ける気があまりしない。どこで詰むのかの想定も難しい。20〜30分考えたものの結局諦めた。一応考えていたことを書こう。d2Pが不要駒とは思えないのでbKのルートがd2→c3ということは無いだろう。d2→e3ならば意味がある(e2→e3やf2→e3とは行けないことに注意)。そういうわけで詰む位置をe3に絞っていたのだが、これが間違いだった。実は、d2Pは外しても成立する単なる無駄駒だったのだ!何か意図がある配置なのかはともかく、いかにもプロブレムの解答選手権という感じの問題。

1. c5 Kb5 2. Db2+ Kxc5 3. Kxd2 Sb3+ 4. Kc3 Sd2 5. Sc6 Se4# (5)


12) W. A. Shinkman  Pittsburgh Post 1924

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最後はセルフの3手。こちらも全くの素人なのでほぼ捨て問なのだが、一応30分ほど考えた。

まず、Qb7+にBxb7#とか、Qc6+にBxc6#は出てくる手だろうと当たりを付ける。となるとd8Sはとても厄介な存在になるから、e7Pで取っておきたいところ。必然的にPromotionも出てきてくれるため作意っぽいなと思う。しかし、例えば1.exd8=R+とすると受けは1…Se7しかなく、これがwBのラインを切る手になってしまう。2.Qb7も2…Kxd8だ。いきなりexd8は早すぎるのだろう。よく考えたらcheckをかける手なんてほぼありえない。しかしexd8自体は指すべき手なので、それがcheckにならなくなるような手段を考えたいところ。となると、それらしい初手は1.Rh8!である。先程見たKxd8の逃れ順を消す可能性もありそうだし、これは作意に入った感じがある。まずはこの手の持つthreatを探すわけだが、2.exd8=B+ Kxc8 3.Qb7+ Bxb7#がすぐ見つかった。しかし私はここで、これは間違いだと思ってしまった(本当は正解なのに)。なぜかというと、3.Qc6+ Bxc6#でも詰んでいるからで、流石にこんなところに非限定はありえないと思って他のことを考え始めてしまったのだ。痛恨!!そういうわけで、keyとそのthreatだけが解けたため0.5点を獲得。作意は以下。


1. Th8! dr. 2. exd8L+ Kxc8 3. Dc6,b7+ (0,5) LxD #
1. … Lf1,h3 2. Dxd8+ Kc6 3. Sxa7+ (0,5) Dxa7 #
1. … exd5 2. exd8D+ Kc6 3. Sxa7+ (1) Dxa7 #
1. … Kxc8 2. exd8T+ Kc7 3. Db7+ (1) Lxb7 #
1. … Sc6 2. e8S+ Kxc8 3. Dxc6+ (1) Lxc6 #
1. … Sxe7 2. Le5+ Kxc8 3. Db7+ (1) Lxb7 #

AUWをはじめ変化がボリューミーで私のような素人には完解できる気がしない。さすがShinkmanと言ったところなのだろうか。なのだろうか、と言うのは理由があって、セルフに無知すぎて作品価値が判断できないのである。ただ、セルフはエンドゲームと違って、今後ぜひとも勉強したい分野である。



というわけで後編はほぼ全滅。勉強不足ですねぇ。最終結果は12問のうち4問完解+1問部分点となりました。合計得点は20.5点/60点です。


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