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The Problemist 2014.11 前編

今回はOrthodoxを3題。

まずは「The logic and beauty of threat correction - Part2」から1作紹介する。

Yuri Sushkov
1st Prize Shakhmaty v SSSR 1973(v)

#2

1.Be8? (2.Rbc6#)  1...b4!
1.Rd8? (2.Bd6#)   1...d3!

1.Bxb5? (2.b4#)
 1...Sxb5/Sd5 2.Rbc6/Rdc6#
  but 1...Sa6!

1.Rxd4! (2.b4#)
 1...Bxd4/b4/Sa6 2.Bd6/Rc4/Rxb5#

tryとactual playによる2+2の構成が面白い。


John Riceが、19世紀の大作家であるWilliam Meredith(1835-1903)の作品を紹介していた。その中から有名作を拾ってみる。

William Meredith
Chess Journal 1886

#2

1.Qh5!
1...gxh5/Kxe3/Sa〜/Sd〜/Se5
2.Sf5/Bc5/Sc2/Qh8/Bc5#

手待ちが出来れば簡単だがそういう手は無い局面から、捨駒かつflight givingにもなっている絶妙のkey moveが飛び出す。1...Kxe3に2.Bc5#のpin-mateを用意しているわけだ。お見事。


最後はSelected Problemsより。

Norman Macleod
1st Prize Mat 1983

#8

1.Kf3 (2.Kg4#) Rh4
2.Kg2 (3.Kf1#) dxe2
3.Kf3 (4.Kxe2#) c1=S
4.Ke4 (5.Kf5#) Rh5
5.Kd5 Qb4
6.Kc6 Qe7
7.Kb5+ Qb7
8.Bxb7#

いきなり1.Kd5?(2.Kxc4#)とやってみたいところ。もし1...Qb4と受けてくれれば2.Kc6以下収束に入れるのだが、ここでは1...c1=Qとされて逃れ。このQ成りをどう防ぐかが問題となる。
解決策は迂回するような1.Kf3!〜2.Kg2。白Sを取らせて3.Kf3と戻った場面で、黒にはc1=Sしか受けがないのだ(Holst theme)。これで準備が整い、先に確認済みの収束に入ることができる。
Orthodoxにおいて白のKは黒に狙われる弱い駒になりがちだが、本作の場合は白Kが自由にウロウロしていてユーモラスだ。

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