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5th ISC 2009-Round 1 後編

Round 1の続き、4〜6番である。1〜3番は1時間で2作解けたが、どうなるか。

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4) W. A. Bron, Shakmatny listok 1928, Lob

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4番はEndgame。ルールが分からんのですぐにパス。a1=Qとされたらまず引き分けられない。逆にPa2さえ取ってしまえばKRB対KBBPなのでまあドローだろう。1.Bf4+ Kh1と進み(1...Kh3は2.Rg3~3.Ra3としてPの成りを防げるので引き分け)、2.Be5でとりあえず成を防ぐ。黒はこのBのラインをズラしたいので2…c3+ 3.Bxc3 Ba5と進めるらしいのだが、もちろん2...Ba5+とかも考えないといけないので、部分点まで辿り着くのは私には無理です(諦め)。

解答を置いておくので、分かる人は見てください。

1. Lf4+ Kh1 2. Le5 (1) c3+ 3. Lxc3 La5 4. Th4+ Kg2 5. Tg4+ (1) Kf1 6. Tf4+ Kg2
7. Tg4+ Kh2 8. Ta4 (1) Lxa4 9. Kc1 (1) Lb4 10. Le5+ K- 11. Kb2 (1) =

1. … Kh3 (?) 2. Tg3+ Kh4 3. Ta3 =
2. … La5+ 3. Ke2! c3 4. Th4+ Kg2 5. Tg4+ Kh3 6. Tg3+ Kh4 7. Txc3 a1D 8. Tc4+
K- 9. Lxa1 =
5. Txa4? Lax4 6. Kc1 Lb4! 7. L- La3+ -+
(5. Tg4+ (1) Kh2 6. Ta4 (1) …. 9. Kb2 (1) = 5 pts)


5) P. A. Petkov, feenschach 2003

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一応プロパラでヘルプコーナーの担当をしている身として、ヘルプは完解しておきたいところ。しかし本作は、初形から3解らしいテーマがunder-promotion×3くらいしか見つからない。詰み形も全然分からず、40分考えて断念。こういう作品を解くのはとても苦手である。

作意を書いておこう。

1.g4 Sf5+ 2.Ke4 Bxg6 3.Kf3 Sh4#
1.e1=R Bg1 2.Re4 Sf5 3.gxf5 Bh2#
1.e1=S Bd1 2.Sg2 Se2+ 3.Kf3 Sc3#

3解を通した対照性は存在せず、単に解を探していく感じ。ただ、形も手順もそれ自体はまずまず良いので、いかにも解答選手権向きの作品だと思う。1解くらいは見つけたかったところ。

それにしても、Petko Petkovのような超有名作家の21世紀の作品なんて、知ってる人多いんじゃないだろうか。解答選手権なのにこういう作品を使うあたり、新作が並ぶ詰将棋解答選手権に慣れてしまった身からすると不平等な気がしてしまう。知識も実力のうちということなのだろうか。


6) V. Nikoletic, Sahovski Glasnik 1989, Lob

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最後はSelfmateの長編。ぱっと見、Sd4とかSe5のdouble checkmateを目指すんだろうなという感じ。

しかし具体的な手順は?と聞かれるとさっぱりである。正解は1.Qd3!で、これのthreatは2.Sg7+ Kf6 3.Qd4+ e5 4.Sf5+ Ke6 5.Sxg5+ Sxg5#だというのだから驚きだ。Sxg5でメイトの筋は考えたのだが、Pg5を取っちゃうとf4の利きが消えるからダメと思っていた。なるほど、e5で利きを付けられるのね。それで、このthreatを受ける手が1...Rxa5と1…Rd2の2通りあり、それぞれの解の決め手がSxd4とSxe5になる。作品として面白いのかは分からないが、厚みがあって解くのは大変だと思う。

solutionを載せておこう。

1. Dd3! dr. 2. Sg7+ Kf6 3. Dd4+ e5 4. Sf5+ Ke6 5. Sxg5+ (1) Sxg5 #
1. … Txa5 2. Txe4+ Te5 3. Dd5+ Kxd5 4. Tb5+ Ke6 5. Sd4+ (2) Sxd4 #
1. … Txd2 2. Sd4+ Kd5 3. Tb5+ Sc5 4. Txc5+ Kxc5 5. Te5+ (2) Sxe5#



というわけで6問中2問正解でした。全然ダメですね。もうちょっと修行します。Round 2も書けたら書きます。

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