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詰パラ708号

この号では近藤郷さんが『般若一族全作品』に関する記事を書いている。中でも驚いたのは、あの「今井光作品」が当時担当だった森敏宏さんによる命名だったということ。投稿時は別の馬名だったらしい!


この号の結果稿は短篇コンクールだ。その中から2作取り上げたい。


深和敬斗

詰パラ2014年12月

38銀、同銀生、27金、同銀生、36金、同銀成、27金、同成銀、38金、同成銀、27飛まで11手。

38の生銀を成銀に変えるというアイデアで、そこに持駒趣向まで付いている。序の2手はおまけ?
柳原裕司「記憶に残る名作がここに誕生」


山田康平

詰パラ2014年12月

54馬、33玉、43龍、24玉、15馬、35玉、36馬、同玉、37馬、同玉、47龍まで11手。

トリプルスイッチバック。作者名を隠しても誰が作ったか分かる。それにしても、これが16位だというのだから短コンは面白い。


最後に、デパートからこの看寿賞作を。知らないという人は少ないだろうが、念のため。

相馬慎一

詰パラ2014年12月

53歩成、同桂、72馬、74玉、54飛、64角合、同飛、同桂、63馬、同玉、81角、72飛合、同角成、74玉、79飛、76角合、同飛、同桂、63馬、同玉、81角、72飛合、同角成、74玉、54飛、64角合、同飛、同玉、56桂、74玉、63馬、同玉、81角、72歩合、同角成、74玉、75歩、84玉、93銀生、同金、85歩、同玉、63馬、86玉、96馬まで45手。

不利合を趣向化した作品はこの時点で何作かの作例があったらしいが、本作はシンプルな理屈で高密度かつ滑らかに不利合を反復しており素晴らしい。
若島さんや作者によって、不利合駒の様々なヴァリエーション・組み合わせが模索されたが、その中でも出色の1作。

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