UAV(無人航空機)の可能性を考える

無人航空機は、1機あたり65億円の予算で、海上保安庁が既にMQ-9B シーガーディアンを運用してる。

この MQ-9B の陸上偵察機は、MQ-9リーパーと呼ばれる機体が存在する。

現在、日本が運用するMQ-9B シーガーディアンは、非武装型。

MQ-9 リーパーのように武装型を導入しても導入数を50機とか100機のように増やせば、一機あたりの導入コストは 50億円以下に下がる。

MQ-9B スカイガーディアンやシーガーディアンと同じドーム型レーダーを搭載した状態であっても武装は可能。

元々のペイロードが、1,700kgの兵器を搭載できるキャパシティを持っているので、海上自衛隊と海上保安庁の双方で利用できる沿岸警備専用機を導入すれば良い。

現在、はやぶさ型ミサイル艇の後継艦船のプランが白紙状態になってる。

はやぶさ型のミサイル艇は、自衛隊員を21名も乗船させる必要性がある。

1隻あたり、94億円もする艦艇に21名の乗員を乗せて航行する必要があるということ。

運用コスト面で考えてみよう。

燃料代として、1時間あたり400~500ℓの燃料を消費する。

MQ-9 シーガーディアンは、最大燃料搭載量 1,815kg(2,186ℓ)相当。

2,000ℓ のケロシン(灯油)で、最大で28時間の飛行が可能。

消費量の多い状態でも14時間の飛行が可能なので、空の巡回で海を監視するのに、人員数も2名のパイロットが陸上から操縦でき、交代要員と自動操縦装置と位置データなどの命令を下すだけで、自動飛行を行なってくれる。

最近よく目にするようになったドローンの空中映像があるけど、戦争中の地上の情報が空からの映像で丸分かりになる。

航空機を打ち落とす為には、高い高度からレーダー索敵する必要性があるので、高度11,000mで 370㎞先の地表地点の物体を捕捉する必要がある。

ロシアや北朝鮮に中国のいずれの国家も日本のレーダー素材を使用できなければ、高度な索敵能力を持てない。

現在、レーダー部品の素材の多くは輸出規制を掛けてるので、仮想敵国の中国やロシアには素材を輸出しない。

ドップラーレーダーの重要性というのは、日本は MiG-29 が亡命してやって来た時に、F-4ファントムのレーダー波は地表や海面の反射で、MiG-29を見失うという失態を犯し、その後、国産のF-2戦闘機で世界初のドップラーレーダー技術を導入してる。

米国企業に情報提供と技術供与する事で、最新のレーダーに取り入れられている。

航空機の中でもUAV(無人航空機)のような分野は、ある程度の制御技術を理解できるようになれば、日本でも開発する事が可能であり、特に、現在のターボプロップエンジンの開発など、速度性能を求めない設計であるなら、既に川崎のP-1哨戒機が採用してるタービン・エンジンなどからも容易に作ることが可能になってる。

IHI は確実に航空機用エンジンの開発において、世界のトップレベルの航空機用エンジンとして通用するエンジン・ノウハウを学んでいる。

IHI は、ジェネラル・エレクトリック社製 T64ターボシャフト・エンジンのライセンス生産で、PS-1・US-1でターボプロップ・エンジンの生産実績もある。

元々、高度300m~1500m程度の低空を飛んで哨戒任務を行なうMQ-9 シーガーディアンのような航空機は、グライダー型の航空機をべースに考えれば良い。

米軍の地上攻撃機である A-10 サンダーボルトⅡのような航空機のデザインとも似てる。

最近の爆弾は、グライダー機能を持っているので、最大射程110㎞も離れた距離から、高高度で爆弾を投下する事も可能になってる。

重量も130kg程度の重量なので、爆弾用の多連ラックを使用すると8個を搭載しても1.2ton(爆弾重量は1,040kg)程度で収まる。

ペイロードが1.7tonまでキャパシティがあるので、8発を余裕で搭載できる。

弾頭の火薬量 93kgの威力は、TNT換算で2.04倍の「ヘキサ・ニトロヘキサ・アザイソウル・チタン」を使用すれば、威力も2倍ということ。

実際に実用される火薬では「ヘキサ・ニトロヘキサ・アザイソウル・チタン」が量産される火薬では最も威力の高い爆発性能を持ってる。

レーザー誘導爆弾として GBU-39 などの小型爆弾でも充分な威力を発揮する。

AGM-84(空対艦ハープーン)ミサイルも 635kgの重量で、最大315㎞の射程を持つ空対艦誘導ミサイルが使用できる。

艦対艦ハープーンよりも使い勝手が良い。

艦船のように洋上待機をする必要性もなく、地上からの遠隔操作で監視誘導が可能で、長時間の飛行能力を持ち、コストと人員数を削減できるUAVの可能性を広めた方が、国防の観点で見ても予算の観点で見ても有利なんだよね。

海上を時速 80km/hで移動できても、76mm連射砲を命中させるのは難しい。

AGM-84 だけではなく、AGM‐114 ヘルファイア・ミサイルなどの空対地ミサイルも航空機からは運用できる。

AGM-114 ヘルファイアⅡなどの空対地攻撃ミサイルの命中精度は高い。

UAV(ドローン)からミサイルを運用した方が、自衛隊員の危険性も大幅に減るので、長期間の海上任務の必要性も皆無になり、陸上勤務で海洋監視体制を築ける。


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