Dr.STONEの作者は、実際には科学を理解してない

Science や Chemistry という部分に特化すれば、科学を謳ってるのだろうけど、後半で出て来るペルセウス号の空母化した着艦用の滑走路を見れば明らか…

航空母艦の着艦用滑走路は、ブリッジを右に置き、船舶の中央から9~11°の角度を付けてある。

北半球では、コリオリの力が反時計回りで作用するので、右寄りにブリッジを設けて普段の訓練時に航空機が右に流れる角度を制御してる。

南半球では、はじめから直進で進入しても 9~11度の角度で左に流される。

実際にDr.STONEのペルセウス号の着艦用滑走路を見てみよう

比較の為の引用 Dr.STONEの空母ペルセウス
ブリッジは進行方向に対し右側にあり、着艦用滑走路は左にレイアウトされてる

これは、過去に日本の空母でも良く起きる事故がありました。

太平洋戦争時は、コリオリの力などを考慮せずに船が作られていた。

北半球では、真っすぐ着陸すると、船に対し9度40分程度に機体が流れる。

最大13°の角度の付いた空母があったらしいけど、着艦が難しいということで、現在は9°30分~11°の角度が一般的になってる。

9°40分くらいが一番着艦しやすいらしい。

南半球では真っすぐ進入すれば左寄りに9~11°前後に流れ、コリオリの力の作用を受けずに着艦できる。

こうした Try & Error を繰り返して、現在の米海軍の航空母艦は成り立っている。

別に、わざわざ斜めにする必要性もないし、英海軍空母のクイーン・エリザベスのように、甲板を幅広く使う方が本来は理に適っている。

英空母クイーン・エリザベス 画像は時事通信社のものを引用

STOVL(短距離離陸・垂直着陸)機専用なので、着艦部には耐熱処理と冷却水がデッキの下を流れている。

また、アメリカでは、プロペラ機のように、前方から風力を発生する航空機は、軽い機体を活かして、短距離で飛び立つ事が可能。

これは、STOLと呼ばれるショート・テイク・オフ・ランディングの頭文字を取った短い距離で離着陸できる航空機の総称に使われる競技の模様。

これは、世界記録を作った時の映像で、3メートルという距離で停止してる。

この手の航空機であれば、パイロットの腕もあるけど、殆んどが20m以内で離着陸できる。

これは、航空機の機体重量に対し、エンジンの回転出力とプロペラが起こす推力が大きいために、翼の翼面積を広げる事で可能になる。

海上自衛隊など、この原理を利用すれば、ドーム型レーダーを持った航空機を使って航空機を飛ばすことが可能になる。

また、風の流れを理解すれば、揚力の発生メカニズムを活かして、翼にプロペラを取り付けた方が、STOL化ができる事が理解できる。

現在の軍用航空機はUAVと呼ばれる無人航空機が主流であり、有人機の撃墜率は、90%を超える確率で最大300㎞以上も離れた距離から撃墜される。

その為、多くの地上攻撃型の攻撃機は、低い高度(地上300m前後)を高速で飛び、爆弾やミサイルを発射する手前で上昇して、爆撃離脱するという作戦が取られている。

トルコのバイラクタル AKINCI(アキンジ)と呼ばれる UAV は、最も航空機の理に適った設計になってる。

ミサイルの性能が飛躍的に高性能化してる現代において、高速飛行する戦闘機の開発を行うよりも、低コストで無人で飛べる航空機を活用する方が、海上戦術に向いている。

3機の航空機を飛ばして150㎞前後の間隔をおいてレーダー波を照射すれば、高度12,000mで 300㎞幅の地点からそれぞれの電波の交点が生まれる。

その電波の差異を利用して見えない鳥などをレーダーに映す技術が量子レーダーという考え。

戦術に科学を取り入れるというのは、そう言うことなんだよね。

これは、光や電波の二点間のズレで、見えない物質を可視化してる。

※ 方解石の原理を利用すれば、光の反応のズレなどで、天体望遠鏡などでも地表のズレを確認できる。

現在の航空機用のレーダーは、艦船の電波を反射させることも可能であり、反射した電波を活用すれば、発電出力の弱い航空機から等も強力な電波を照射して広い範囲を見ることができる。

上空 12,000mからの高度から見渡せる距離が 391㎞
現在の航空機の電波照射距離が370㎞前後なので、高度12,000mまで上昇すれば、現在のスタンダードミサイルSM-6という、370㎞を射程に持つミサイルで航空機を撃墜できる。

最大高度33㎞(高度33,000m)の距離まで上昇し、そこから目標に向かって落下しながら標的を追撃するので、2発を発射するとほぼ100%に近い確率で航空機は撃墜が可能になってる。

300㎞以内に入ると、殆んどの航空機は撃墜されるので、現在の米海軍の主流が早期警戒管制機の監視がメインになっている。

Dr.STONEなどでは、そうした戦術なども皆無だし、本当の化学による基礎的な薬品の取り扱いにおいても、硫酸を取り扱う際の空気清浄機としてのチャンバーもない。

まず、その時点で、多くの人達が死んでると思うんだけど…

こうした細かい Try & Error により、長い歴史において、多くの人達が築き上げてるものが科学という事です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?