自動車エンジニアの陥る、思い込みによる機転の悪さ

よく、自動車雑誌などにおいて、AT車とMT車のどちらが燃費が良いかのいがあり、殆んどの評論家と言われる人達が MT車と答える。

では、AT車と MT車のどちらが登坂とはん性能が高いのか?

答えは、AT車です。

油圧の使い方を知らない自動車開発者の多くが、部品の設計を専門の設計技師に依頼して、トータルでパッケージ化するのが自動車等の商品。

CVTの燃費が良いとか、大型車は ATの方が燃費が良いという風に、アホな評論家の多くがウンチクを垂れてるけど、そんな事はないんだよ。

普通に考えれば分かるだろう。

皆さんが使ってる自動車のブレーキは、必ずと言って良いほど油圧を使っている。

つまり、マスターシンダーなどの倍力装置は、油圧で作動してる。

その中でもトルクコンバーターは、ある一定量のオイルが必ず空回り(ロス)するように作られている。

扇風機を二台並べて片方に電気を入れて回して、反対側の扇風機が呼応する形で回転してるのと同じ状態な訳です。

つまり、緊急時に停止する必要性のある自動車の場合、常にトルクが伝わっている状態のAT車では、マスターシリンダーのような圧が常に加わった状態は好ましくない。

例えば、自動車用のオートマチック・フルードのオイルの流れを、このようにピストンポンプと同じシステムにするだけで、オイルの圧力を逃がすことも可能になる。

私が自動車を設計してたら遊星歯車と一緒に、このシステムを取り入れてる。

つまり、トルク・コンバーターが作られてから一度も、このトルク・コンバーターが変わってない事実に触れるものが少なすぎる。

上のピストンポンプのクラッチ部分は、押える角度を変えるだけで、オイルの圧を開放する事ができる。

つまり、反対側の受け側のタービンの種類を過流ポンプなどに変更すると、より強い油圧を掛ける事が可能になる。

過流タービンポンプを受け側にするだけで、これだけの油圧が掛けられる。

一応、圧が増すと金属特有のクラックの症状が発生するので、素材を鋳物いもので作る必要性が生まれる。

たったこれだけの組み合わせで、従来のAT車の1.3から2倍以上にトルク伝達力が向上するし、停車時のブレーキの踏力も不要になる。

ブレーキを離した時に、ピストンポンプのクラッチの傾き具合が変更されるようにすれば良いので、クリープ現象も付加する事が可能。

従来の自動車の設計だけで、これだけの応用が為されてない物が存在し、技術力においては発展途上にあるということ。

日産ノートも軽自動車並みの小型エンジンで、1,500/min 前後の回転数による発電を行なっている。

回転数を増やしても発電に対する発電量が大幅に上がるかというと、そうではない。

仕事量が限られているものに関しては、一定の運動量を保つことの方が重要だったりする。

アキシャルギャップ型発電装置の発電効率
https://www.aichidenki.jp/report/35/35_22.pdf

今後、自動車用のモーターなども、全てアキシャルギャップ型モーターへと変わって行く。

アキシャル平面モーターの理屈は、こういう感じ…

世界で初めて作られた発電装置は、アキシャル平面型でした。

人間というのは変化を好まないので、100年以上も一つの発電方法で通してきた訳です。

当然ですが、研究開発は大学などの研究で盛んに行われてきてる。

自動車のエンジンで発電するという考えにおいて、トヨタ自動車なども30年以上も前に、2ストローク・ディーゼル・エンジンの開発をダイハツと共同で行っていました。

要はね、船のエンジンを参考にするという考えが無かった。

船のエンジンは、超ロングストローク型のエンジンであり、自動車で言うとボア直径50mm × ストローク250mmで、2気筒で約1ℓ の排気量で、2,000㏄の排気量のエンジンと同等の燃料消費量になる筈。

直径 50mm × 50mm × 1/4π × 250mmストローク ÷ 1,000cc = 490.625㏄
490.625㏄ × 気筒数 2 = 981.25㏄

船舶と同じ排気量の換算のエンジンを作ると、こういう風な超ロング・ストロークのエンジンになる。

特殊なコネクティング・ロッドが必要になる。

マキタのエンジンを参照

マキタ製エンジンの基本構造

コネクティング・ロッドを二重にジョイントして、空気の圧縮率を上げている。

自動車用の 2ストローク・エンジンの概念自体が、高回転を意識しており、この手の船舶用エンジンは、圧縮空気だけで稼働するので、燃料は高圧直噴型の燃料噴射装置でピストン内に直接噴射される。

エンジン全体の全高が長くなるので、45°前後の傾斜角度を付けて倒すか寝かすことで対応すれば良い。

発電装置に特化した作りとなるので、エンジンの回転力を利用してコンプレッサーで加圧して圧縮空気を溜める。

エンジンを立てるとアメリカン・ドラッグレーサーみたいに、ボンネット上にキャブレターが飛び出たような感じのコンプレッサーまる出しの形状になる。

ガソリン・エンジンが頑張っても 36%前後の熱効率なのに対し、52%を超えるこれらの作りのディーゼル・エンジンを作る際には、フライホイールの慣性力を大きくする必要性がある。

純粋にターボの加給圧による強制的な吸気による空気を吸引する為、爆発する際の燃料の量は微量の燃料で済む。

殆んど空気が、熱膨張で破裂する感じだと思って良い。

つまり燃料は、アルコールでも何でも良いんだよね。

実際に、圧縮空気エンジンの自動車をインドのタタ・モータースが作ってるけど、内容は船舶のエンジンの発想なんだよね。

圧縮空気を燃料として押し込み破裂させ、次のピストンの上部に排気された圧縮空気を溜めて、二気筒分を一気筒分の圧縮空気の燃料で使い回す形になっている。

コモンレールも50khPa(0.5気圧)前後の空気圧を掛けて燃料を気化する技術なので、気化ガスを圧縮した空気の中に押し込んで爆発させるという考え。

燃料も軽油や灯油など、ガソリン以外は何でも使えるので、オクタン価の低い重油でも利用する事が可能になる。

スラッジ(煤)自体は、凄いんだろうけどね。

AT(オートマチック・トランスミッション)のトルク・コンバーターだけでも 75年間も同じものを採用し続けている。

発想の転換が必要なんだけど、CVTのベルトのコマや金属同士の摩耗特性だけに注力して、基本的な構造の方を変えようとしないのが、日本人の面白い部分なんだよね。

せっかく僕が生まれた当初からトヨタ自動車などにおいては、遊星歯車機構を研究開発し、プリウスで昇華した後で多くの自動車に採用している。

20~30年前から、発想の転換ができる企業であったのなら良かったのにね。

ウォール・ストリート・ジャーナルが、豊田章夫会長の発言を取り上げて、豊田会長の発言の正しさを珍しく擁護する記事があったけどね。

EVにシフトすれば資源の方が追い付かないというのは正論なので、今後、環境派の方々は、他の問題を解決する必要性が出てくる。

地球の温暖化には、CO² の影響よりもメタンや他の温暖化ガスの影響が強いので、そろそろ間違いは間違いで訂正すれば良いのにね。

新しい未来を拓くのは、若い世代の力だと信じてるので、こうした物を参考にして精進して欲しい。

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