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グリュウゲ

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この怪獣は、ビビッドマン製作委員会の2019年の作品『ビビッドマンREM』にて私がデザインさせていただいたものです。映像では善と悪二体の怪獣が登場しますが、こちらは悪役として描きました。もう一体の善玉がコマザージーです。名前は、グリュウゲは人間を捕食するのですが、最初に襲ったのが喫煙者だったため煙草の匂いを追ってくるという設定があり、そこから、「副流煙」をもじってつけました。

両者をデザインするにあたって、第一に形態の違いを明確にすることは絶対条件でしたが、私の頭にあったのは『ウルトラマン』のアボラスとバニラでした。すなわち、頭部が大きく体格の良い怪獣と、小顔で細身な怪獣というイメージを思い描いていました。加えて、撮影のロケーションの関係でアオリのカットが多くなることが予想されたので、差別化のための個性はなるべく上半身に集中させようと考えました。

この二体は、片方は既存のぬいぐるみの改造で、もう一方を一から新しく作る予定で、最終的にコマザージーが改造に、グリュウゲは新規造形になりました。その既存のぬいぐるみというのが太めの体型をしていたので、グリュウゲは細身で軽快な印象にデザインしました。

イメージは一言でいって龍ですが、以前からモチーフにしたいと思っていたマンドリルの顔を使いました。そして頭頂部に巨大なトサカをつけ、体から頭部に向かって収束していくような形にしました。これには、正面からと横からのアングルとで怪獣のシルエットに変化をつけるというねらいもありました。

今回の絵では元のデザインにあったトサカが少し恥ずかしいのでオミットし、マンドリルの要素だけを残して描きました。


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当時のデザイン画です。巨大なトサカは、今までにない新しい形を模索しようとする中で出てきたものでした。

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