見出し画像

ポーカーチェイス・シーズンマッチ優勝法調整録

はじめまして。久しぶりの方はお久しぶりです。けみこと申します。

私は、

・ポーカーチェイスからポーカーを始めた。
・稼働初期に130戦ぐらいやって休止。(1回ゴールドに上がってすぐ落ちた)
・ステ6が出来た頃に再開。
・300戦ぐらいでステ6に到達。
・累計1700戦ぐらいやって現在。
・ステ5に落ちたのは2回。
・1回は即復帰、もう1回は2200前半ぐらいまで落ちた。
・ステ6で取れた修行僧を後生大事に抱えてる。

 といったステータスの持ち主です。
 ポカチェでポーカーを始め、ポカチェ以外のポーカーを知らない、生粋のポカチェ勢です。

シーズン4 優勝しました

 そんな私ですが、シーズンマッチで優勝することが出来ました。

 ポカチェの上位層は、ポーカーチェイスが稼働を始める前からポーカーをやっていた人が多い、という先入観を持っている人は多いと思います。
 おそらくその先入観は間違ってないんだろうなとも思います。ポカチェだけやってる人はいつでもポーカー辞められる(私も休止期間が結構あります)し、ポーカーの勉強をするモチベーションも弱くなりがちだからです。あと負けてもお金取られない

 しかし、稼働初期に始めた私のようなプレイヤーは、言うても2年ほどポカチェを触っていることになります。休止期間も1年ぐらいありそうだけど

 今回はポーカーチェイスの優勝法と題してnoteを書き残すことにしました。間違ってることを書くかもしれませんが、言うて三分の理ぐらいあるでしょの精神で、適宜修正すると思います。

 以前ステージ5で沼ってしまいがちな人の共通リークについて記事を書きました。
 一応そちらへのリンクも貼っておきます。興味がある人はどうぞ。



1.シーズン4を走り始めた動機

 シーズン3末の話になります。
 私はポカチェのシズマに復帰し、月末30戦ぐらいでシズマポイントを20ポイント増やすことが出来ました。

 当然運の要素はあるのですが、これは月初から潜っていたら1位を狙える(取れるとは言っていない)ペースだったと思います。

 であれば、1位を狙ってみようと思いました。本気で。 

2.シズマ期間中のモチベーションの保ち方

 回していれば結構楽しいのがポカチェ。
 だからあんまり悩むことはないだろう、というのは甘い考えでした。
 1日の増減ポイントがプラマイ0だと徒労感があるし、マイナスだとわたしは一体何をやってるのだろうかと自問自答したくなります。
 それでも私は幸運だったと思います。10日目ぐらいからずっと上位に居れたので、義務感を持てたまま回せました。(本当に幸運だったのかは諸説ある)

 それはそれとして、毎日3時間ポカチェで集中し続けるのは体力が要ります。だから、ポカチェのシズマを走っていた1ヶ月間はリアルでも走ってました。毎日4km、30分ぐらい。

 片道2km、帰り道にモンスターエナジーを買って飲んで、さあシーズンマッチ頑張るぞと気合を入れるのが私のルーティンでした。健康の貯金と前借を同時にするな

 シズマ走り始める前の月ぐらいから始めた習慣だったのですが、これが意外と効果がある。ポーカープロが毎日運動しろと語る理由が分かりました。体を動かすのは気分転換にもなるし、体力もつく。1ヶ月、フルタイムで回しきる必要があるシーズンマッチは体力ゲーの側面があります。
 運動して汗をかいて、ついでにフロに入ってからシーズンマッチを回す生活を1ヶ月続けました。

 ちなみに、この期間はポーカーの勉強をほぼしていません。集中力のリソースが足りなかったからです。同時並行でカードゲームのストリーマー大会の準備もしてたし

 学生時代、わたしはずっと囲碁をやっていました。

 「勝った碁の内容は気にしないことにしている」
 これは、とあるOBの発言らしいです。私はこちら側の人間でした。

 競技にストイックな美学もあれば、勝負にストイックな美学もあります。
勝負にストイックな美学を振り回す奴は人間性が終わってるのまでがセット
 そもそも、夜9時~12時半まで回して疲れた状態で、睡眠時間削って100ハンドだけ振り返ってどうすんねん。こちとら社会人やぞ。反省はシズマを回し始める前の月までに終わらせておけって話です。ペッ!

3.プレイの基本方針

 大前提として、このゲームは「順位取りゲーム」です。
 どういうことか。ゲーム中に獲得したブラインド量、チップ量ではなく、取った順位の高低だけが価値を持つということです。
 チップの価値は状況によって大きく変わるので、いわゆるギリギリのバリューを取りきる、といったことが肯定されるとは限りません。
 どちらかといえば、「チップを減らさない」ことに価値があることが多い。だから、最後まで選択権を持った方がいい。

①BBディフェンスをしない人のBBを狙う
②(参加ハンド数/試合数)が少ない人にブラフをあまり打たない
③ベット率が低い相手には無理に逆らわわず、無理に降ろそうともしない
④プリフロでプッシュをあまり使わない
⑤スタックが浅くなったときには、ジオメトリックサイズを意識し、それを超えるサイズのベット額を使う場合は理由を持つ
⑥スタックが浅くて横並びのとき、オープンにコールが入ったら基本降りる
 →人数が少ない方がアグレッションが上がってオールイン勝負になりやすい。結果、どちらかが飛びやすくなる。

 私はシーズン4において、以上6点を基本方針としていました。
 言い換えると、「ポットサイズを小さく抑えながら」「勝率のいい勝負は広く参加する」となるでしょう。

 ポーカーチェイスの戦いを、私はチップ量を軸としているランダムウォークだと認識しています。
 勝率55%でチップ全部を掛けた場合、2倍になるまでに破産する確率は45%になります。
 
では、勝率52%でスタックの初期値の10分の1を掛けた場合は?

計算式をエクセルにぶちこんだ結果

 破産前に、70%の確率で2倍になります。

 ポーカーの世界では、1ハンドごとのチップEVを積むのが正義、という風潮があります。これが間違っているとは思いません。
 しかし、ここはポーカーチェイスの世界です。

 ポーカーチェイスは、最後のヘッズアップとなるまで常にバブルファクターの影響を受け続けるゲームです。多少勝率を落としたとしても、小さく割のいいポットを何度も争うことは勝率の向上に繋がります。

 しかし、この理想はまやかしです。
 ポットを争う相手にはオールインする権利が、常にあるからです。
 しかし、相手のベットにバリューしかなかったら?
 バリュー以外を打ちにくいシチュエーションなら?
 勝てないなら降りればいい。チェックにギリギリ勝っていそうならチェックを返せばいい。極論、ブラフを打たなくてもいい。アンティの比率が高くなる、小さいポットでショーダウンが出来るならそれで十分。

 私はそう信じています。

4.VPIPの動かし方

 ポーカーチェイスのプレイヤーには、どんなポジション、どんなシチュエーションでも常に同じハンドレンジで戦っている人が一定数います。
 それは間違っています。
 しかし、ここで正しいハンドレンジについて細かく話す気はありません。
 例えば各ポジションについて正しいハンドレンジをここに示したとして、スタック状況が違ったり、オープン額が違ったりすれば、ハンドレンジは変わってしまいます。

 そもそもポカチェストラクチャーでの均衡ハンドを示せるなら、それだけで金取れるわ!

・ポジション
・スタックの深さ
・残り人数

 この項では、上記3点が与える影響についてざっくりと書いていきます。
ここには基本以下のことしか書かないです。この程度しか知らなくてもシーズンマッチで1位が取れるらしいよ。

4.1 ポジション

 アーリーポジションよりレイトポジションの方が広くオープンできます。

BBはコールする側なので伸ばしてない

4.2 スタックの深さ

 超ショートになると広がりますが、ちょっと浅いぐらいがオープンレンジ狭かったりと、若干複雑です。

中間層の凹み方は誇張表現気味(深いときと1%ぐらいしか変わらないはず)
10BBを切ってくると大きく広くなる。

4.3 残り人数、スタックの状況

 ちょっと複雑なので、5.項で触れます。

5.残り人数、戦う相手ごとのバブルファクター

 バブルファクターは、

 オールインで負けたときに失う品/オールインで勝ったときに得る品

 で計算して出す指標です。
 得る品、失う品はICMモデルを使って算出します。
 バブルファクターの値をBF、必要勝率をxとすると、

x = BF/(BF+1)

で計算できます。

例えばBF=2のときは、
x= 2/3 = 0.666…
だいたい67%ぐらいの勝率が必要となります。

バブルファクターに関する簡単な説明をしたところで本題。
プライズはシーズンマッチ前提、全員が平均ピッタリのチップ量を持っている状態でのバブルファクターを計算してみます。

スタックが全員均等だった場合のBF

 残り人数が6-4人の状況ではバブルファクターが2.0ぐらいあります。
 厳密には4人>6人>5人ですが誤差の範囲です。

 6~4人で2倍になるか全額失うかの勝負を行う場合、必要勝率は67%ぐらいですが、これがスタックの1/3になると必要勝率は55%、1/6だと必要勝率は52%であり、バブルの影響は相対的に小さくなります。
 
ポットサイズが小さい方が、必要勝率は低くて済むわけですね。

5.1 スタックごとのバブルファクター

 以下の状況を基準にします。
 チップリとぶつかる前提でBFを計算します。

オールイン前のチップの状況

 計算結果を下の表にまとめます。

戦うときのバブルファクター

①カバーされている場合、ミドルスタックのBFが上がる
②最下位はBFが比較的低い
③ショートとぶつかる場合、BFは比較的低い
④チップリと戦う場合、BFが上がる。

 簡単にまとめるとこんな感じです。

6.プリフロップにおける3Betへの簡易的対応

 ポカチェの話なので難しいことを書くつもりはないです。
 相手のプリフロ3bet、基本的には強いです。

 よく言われる話ですが、所詮、ポーカーについて深く勉強してない人間(私含む)の発想なんて似たり寄ったり。独創的なものなんてほとんど出てきません。ざぁこざぁこ♡ リニアレンジCB♡ チェックレンジすかすか♡

 3betレンジも例外ではなく、ポーカーチェイス環境では強いところだけの3betが飛んできます。紗幸ちゃんが「なんかいい感じ」って言うハンドにポケットがちょっと増える程度です。私もそうでした。今でもそうです。

 となると、対応策として降りるレンジを増やさざるを得ないわけで。

 Axoの弱いところ(A2-9o)、降りてください。超ドミられてます。
 Kxo、KQo以外降りてもいいです。超ドミられてます。
 ポケットの弱いとこ、降りてもいいです。上ポケ出てきます。

 じゃあ、何でコールするのか。
 基準となるのは相手の3bet額とスタックです。
 安く、ポジションがあり、スタックが深ければ投機的ハンド(ローポケット含む)のコール以上が増えます。そしてフロップでいっぱい降ります。(ローポケット含む)
 当たらなかったら、どうせ強いハンドだったんだって負け惜しみ言いながら降りましょう。酸っぱいブドウ理論万能説。
 当たっても、ドミられてる気配を感じたら降りてもいいと思います。悲しいなぁ。

 スタック30BB残り4人ぐらいだと、BFかなり強く掛かってるし、かなり広く降りてもいいんじゃね? ぐらいに考えても、大マイナスにはならない気はします。わたしはそうしてます。例外はいっぱいあります。

7.ICMモデル上の均衡と現実のズレ

 Nash ICM Calculator を見たことがある、使ったことがある人はこの記事を見ている人の中にも結構居ると思います。

 このツールはICMモデルを用いた場合のPoFレンジの均衡解を示してくれます。非常に有用ではあるのですが、ポカチェでこの通りにプレイするのはかなり問題があるツールだったりします。(多分RTAで使ってもシズマポイント盛れないと思う。少なくともヘッズでは弱い均衡でしかないし)
 何故かと言うと、ポーカーチェイスのシーズンマッチは多人数戦であり、相手が誤った結果生まれたポイントのロスが自分のポイントプラスとなるとは限らないからです。具体的にはオールインを打ったあと、下家に均衡より広くコールされたときに詰みます。戦うふたりでシーズンマッチEVをマイナスし合うことになります。お願いだから賭け狂わないで

 ……というのを、ICM至上主義で回そうと頑張った結果、100位以内にすら入れなかったプレシーズンで学びました。当時は若く、道理を分かっておりませんでした。

 今の私はこのツール、必要勝率の計算用に使っています。
 相手のプッシュレンジ VS 自分のコールレンジの下限のときの勝率をエクイラボ(これは無料ツール。重宝してます)で計算すれば、コールするときの必要勝率を概算することができます。実戦で頼りになるのはハンドレンジではなく必要勝率です。どうせ自分も相手も均衡通りプレイしないので、相手のプッシュレンジの広さを肌感覚でざっくり概算して、自分のハンドがそれを満たすかどうかを考えた方がいいです。頻度的に相手のプッシュレンジがAQ+? このAToしまうか……。

 Nash ICM Calc. で計算して勉強したつもりになるのはやめた方がいい。
 いいたいことはこれだけなんですけど、相手のプレイが均衡とズレやすい部分について以下に簡単に書きます。

アーリーポジションのプッシュは(特に自分よりチップを持っている人が残っている場合)均衡よりずっと狭い傾向があるが、スタックが浅いとき(10BB未満)は(特にローポケットが)均衡より広くなる傾向がある。

レイトポジションのプッシュは人によって使うか分かれるけど、使う人は広くプッシュしたいから使ってる傾向がある。ので均衡に近いときもある。もちろん激強いときもある。

③高1位率(1/5以上が目安)のプレイヤーからアーリープッシュが飛んでくるときは理由がある。だいたいは激強。

④(特にアーリーポジで)基本的にプッシュは「誰かには」コールされすぎると思っていい(だからプッシュ側のレンジが強くなる)

⑤プッシュレンジと低額オープン、コールレンジが分かれている相手のプッシュは基本的に激強。たまに72oが出てくるけどキャッチしない方がいい。

 Nash ICM Calculator は均衡を求めてくれるツールです。
 しかし均衡しか求めてくれません。
相手に寄りそうプレイを示してはくれません。
 シーズンマッチポイントを盛ろうとするなら、相手に寄りそうプレイをする必要があります。そのために大事なのは必要勝率であって、均衡解でのプッシュ・コールレンジではないんです。これを理解したうえで、Nash ICM Calculator を触った方がストレス無く使えると思います。

 最後に、ICMモデルを使ったシズマポイント期待値の計算で使えるページを貼って終わりにします。

 順位ごとのシズマポイント(最下位を0とする)を入力し、降りたとき、勝ったとき、負けたときのそれぞれでチップ量を入力すれば計算できます。

 必要勝率をxとすると、

 降りた時の値
 =勝ったときの値*x + 負けたときの値*(1-x)

 を満たす勝率xが損益分岐点となります。
 
 ただしこれを学ぶためには最低でも3回、具体的には

・降りたときの盤面
・オールインして勝ったときの盤面
・オールインして負けたときの盤面

 上記の状態のチップ量を入力して計算させる必要がありますが、これはプリフロップ以外でも使えるので万能です。
 そして計算が面倒くさいので横コールしなくなる。しないで。

 正直に言うとこの計算、本っ当に面倒です。
 私は馬鹿正直にやってましたが、Nash ICM Calc. で計算したコールレンジの下限をエクイラボに入力して必要勝率を見るだけでいいような気もします。そのほうが100倍楽です。あとエクセルで計算式組んでやるとか。

8.相手のスタッツの見方

 7.項では、均衡通りにプレイしても、相手が均衡通りにプレイしなければ自分が損をしうることについて言及しました。
 頑固者泥船で沈む定石を覚えて二目弱くなるのを避けようとすれば、相手のプレイ傾向の分析からは逃げられません。しかしポーカーチェイス上で確認できるスタッツは、参加回数・優勝回数・VPIP・参加ハンド数の4つだけです。これだけのスタッツでプレイ傾向の分類は出来るのでしょうか。

 最近、ポカチェ以外でもポーカーをやっている人から、ポーカーチェイスが提供するスタッツでは相手のプレイ傾向が分からないというボヤキを聞きました。もしかしたら、そこがわたしとポカチェ以外でもポーカーをやっているプレイヤーにある一番大きな差なのかもしれません。ポカチェが提供してくれるスタッツ、滅茶苦茶有用です。これを使いこなせれば大きなエッジが出ると思ってます。以下にわたしが考えていることを書きます。

8.1 基準となる3スタッツ

 プレイヤーの傾向を確認するためにまずひと手間。
 優勝回数を参加回数で割って優勝率、参加ハンド数を参加回数で割って1試合あたりの参加ハンド数を求めます。
 わたしの手元には各プレイヤーの優勝率、1試合あたりの参加ハンド数、VPIPのデータが残ります。

8.2 優勝率の高低で確認できるプレイ傾向

 優勝率は(少なくともICMモデル上では)チップ量に比例します。
 よって、優勝率の高いプレイヤーは「複数人数が残っている状態でのチップの稼ぎ方を知っている」または「BF=1の状態となるヘッズアップで強い」プレイヤーとなります。
 注意してほしいのは、ICM理解度が高いとは限らないということ。
 広いオールインに対しICM上ではコール出来ないとされているハンドの中に、チップEVは+であるハンドは結構あります。これらでコールすることはシズマポイント期待値こそ下げますが、1位率を上げる効果があります。
 また、1位率が高いプレイヤーは試合中、頻繁にブラフを打っている可能性は高いですが、それがどのタイミングであるかまでは優勝率だけでは分かりません。

ただし、ステ6住民かつ優勝率が(1/4.5)以上のプレイヤーでICM理解度が極端に低いプレイヤーを見た記憶はないので、高い優勝率とICM理解度に直接の関係はなくとも、若干の相関はあるのかもしれません。

8.3 1試合あたりのハンド数で確認できるプレイ傾向

 1試合あたりのハンド数は、そのプレイヤーが戦うポットサイズと関係します。少ないほど大きく、多いほど小さくなります。
 例えば高いブラフを打つ、バリューベットを打ちすぎる、コールしすぎる、プリフロップでオールインを選ぶ頻度が高い、VPIPが低い等あり、一つに絞ることは1試合あたりのハンド数だけでは困難です。

 ただし相手のランクがダイヤの場合は、バリューベットを打ちすぎるかコール頻度が高いかのどちらかに決め打ちします。相手のプレイを見ていればどちらであるかはすぐにわかると思います。

8.4 VPIPで確認できるプレイ傾向

 VPIPはハンドの参加率の指標です。
 単純に考えると、VPIPが低い=参加ハンドが強い、VPIPが高い=参加ハンドが弱い、ということになります。必ずしもそうではありません。

 まず、プリフロップに着目。
 誰かがオープンしたあと、コールで参加する率が高いか。
 リンプレンジがあるか。

 この2点には気をつけましょう。

 コールで参加する率が高い場合、自分のハンドの強さを重視しすぎており、かつハンドの下限が緩い可能性があります。(そもそもコールで参加する率が高いプレイヤーは、VPIPにかかわらず自分のハンドの強さを重視し卓内のアクションに対して無頓着な可能性があります)
 そのうえで、1試合あたりの参加ハンド数に着目してください。
 少ない場合はコールし過ぎている、具体的にはトップヒットは絶対に降りない可能性があります。(ポーカーチェイスは浅いスタックでの戦いが多いので、このスタンスが間違ってるとは言えないです)

 リンプレンジがあり、プリフロップのアクションがリンプとレイズと分かれている場合は、レイズには強いハンド、リンプには弱いハンド(基本的には弱いスーテッドなど)が入っている可能性が高いです。この場合、リンプにはちょっとハンドを絞り、高めにレイズをした方が基本的にはいいです。
 逆にレイズレンジには過剰に抵抗しない方がいいです。VPIPの見た目は40パーセントを超えていたとしても、実質的なVPIPは20%台前半とかになるでしょう。最悪コール止めでフロップいっぱい降りてもいいです。それぐらいの強度はあります。

 また、VPIPはスタックが20BBを切ってきたあたりでどのようなプレイを好むか、にも影響されます。オールイン頻度が高いプレイヤーは低く抑えられ、2BBオープンを採用するなどしていてオールイン頻度の低いプレイヤーは高くなる傾向にあります。

 ここでオールインを好むプレイヤーはプッシュレンジがVPIPの見た目通りのレンジだったりするので、過剰に怖がる必要はないです。ポジションに無頓着な可能性があるのでSBとかだと過剰に強い可能性があるかもぐらい。

 逆にVPIPが高く普段は低額オープンをしているプレイヤーから飛んでくるオールインはだいたい過剰に強いので、AK+強ポケットみたいなハンド以外では抵抗しなくてもいいです。レンジが分割されていそうな場所がリークの発生源です。

9.スタッツごとにあり得るリーク

 わたしは前項で触れた3軸で卓内の相手のプレー傾向を推測しております。以下に例を示して、私がどのようにアジャストしているのかを書いておきます。
 ここに書くことはあくまであり得るリークであって、条件に当てはまるプレイヤーがそのリークを常に持っているわけではないです。一番大事なことは相手のアクションを見のがさないこと。そしてリークがあると思ったら大胆に幅寄せしてアジャストすることです。失敗してもいいんです。間違えましたごめんなさいして次の試合に行きましょう。

9.1 高低の基準

・VPIP
 20%台は低、35%~は高。40%~は激高

・優勝率
 基本的には6/1以下で低、1/5以上で高。
 ただしVPIPが激高だと分母に0.5を足した値が基準になります。

・1試合あたりのハンド数
 12以下だと低、15以上だと高。
 ただしVPIPが高だと1~2足した値が基準になります。

9.2 高1位率のプレイヤー

 まず、触らぬ神に祟り無し。
 ステ6住人で高1位率のプレイヤーには目立ったリークが無いと思った方がいいです。

 ただし、1試合あたりのハンド数には気を配った方がいいです。
 少ないと適正に近い頻度で高い額のブラフがあったり、BBディフェンスが気持ち少なかったりします。もしかしたら終盤高頻度プッシュしてるだけかもしれません。
 またチップEVを重視した結果の高1位率である可能性もあります。ICM理解度が高いとは限りません。

 さて対抗策。
 ありがたいことにポーカーチェイス、多人数戦です。
 ほかの人に飛ばしてもらいましょう。

 実際のところ、ブラフやICMオールインが通じない人にうっかり打ってしまい、あっさり飛んでいくのもこの特徴を持つプレイヤーの特徴だったりするので、待っていれば意外と簡単に居なくなるかもしれません。
 ヘッズアップまで残られたら腹くくって戦うしかないです。

9.3 低1位率、低VPIP、低ハンド数のプレイヤー

 3スタッツを指定するため案外少ないように見えて、低VPIPだと1位率自体が下がりやすいのでまあまあ見なくもない。彼らは強いハンドで戦っているため終盤の戦いまで生き残りやすく、結構な頻度でヘッズアップをすることになる。そんな相手です。

 低1位率になる理由はやっぱりあって、共通しているのは複数人数が残っている場面でプリフロ2betの感覚でオールインを打っていることと、場合によりヘッズアップでもPoFを採用していること。
 PoFがチップEVで最適になることは決して多くないので、特にアーリーポジションからのライトなプリフロオールインは1位率を下げる要因になりがちなんですよね。ポカチェはライトなオールインは強いとか言ってる奴ら全員責任取ってくれ。多人数ゲームの均衡解は盾にすらならねぇんだ。

 ポーカーの勉強をしている人自体は高VPIPの人より低VPIPの人の方が多いと思っている(そもそもライトなプリフロオールインが飛んでくるのは、ICMについて勉強した結果だと思います)んですが、低VPIPのプレイヤーは相手にアジャストするプレイが苦手目な印象を受ける(ライトなプリフロオールインを戦略として採用する人はその傾向があります。私も昔はそうでした)ので、極端なエクスプロイトを喰らうことはそんなに無いでしょう。

 さて、対抗策。
 ポストフロップはパッシブ気味に動きましょう。
 ベットするときは狭く高く、で狙うのが簡単です。
 何故なら相手のハンドレンジ、超強いです。
 どちらかといえばこちらがターン・リバーを見せて貰う立場です。
 相手がそれを理解しているとは限らないので、高頻度でチェックが返ってくるでしょう。それで十分です。俯瞰視点でのアンティ山分けを許してもらいましょう。
 相手はハンドレンジが強いので、高いベットに対して手なりでプレイするとコール過多になりがちです。そこを狙います。

 そして終盤のヘッズアップ。非常に簡単なエクスプロイトがあります。SBからエニハンで2BBオープンしましょう。相手のプッシュ頻度が高い場合はリンプでもいいです。
 
 ポカチェのヘッズアップは、MDFの観点から広いSBの2BBオープンに対しおよそ60%以上の頻度でBBがコール以上のアクションをとらないと、SBはゴミハンドから利益を出すことができます。仮にSBがフロップ以降ゴミハンドの全てを降りていたとしても、です。

 相手は広いBBディフェンスをしてこない可能性が高く、それどころかヘッズアップまでPoFを採用している可能性が有ります。最小単位のポットサイズの争いを繰り返すことで、破産ゲームの勝率の最大化を狙います。

9.4 高VPIP、低ハンド数のプレイヤー

 1位率はまちまちですが、高いVPIPを持っているにも関わらず1試合あたりのハンド数が少ないプレイヤー。
 これはVPIPが高いうえ、争っているポットサイズが大きいことを示しています。
 高1位率だと高い額のブラフレンジがあるプレイヤーですが、そうでない場合はどう見るべきか。
 わたしはバリューベットの打ち過ぎ、または相手のベットにコールし過ぎ、もしくは両方だと思ってます。

 カンタンな対抗策の前に、相手のベット頻度を確認します。
 わたしはフロップ以降チェック3回聞こえた相手から弱いハイカードが出てきた瞬間、少なくともベットレンジがポラーになっていない可能性を考えます。

 ポラーになっていない場合、チェックレンジが脆弱になっている可能性と、ナッツ級でポットオーバーのオールインを打ったときに相対的にコールされる頻度が高いと考えます。
 この場合、弱いレンジであるチェックにエニハンに近い頻度で2回ベット(Aハイを降ろす必要があるので、33%→66%ぐらいのサイズは必要)するか、ベットの下限が低いところを突いて、オーバーペア以上で大きいサイズのレイズをするのが簡単な対応となります。
 
 結局のところ、相手がベットし続けて、こっちにいい役が出来なければ無限に搾取され続けることになります。カウンターされてつらい。

10.まとめ

 技術的な巧拙より相手に寄りそう姿勢の方が大事だということは、ポーカーチェイス専業のわたしがシーズンマッチの1位を取ったことが示してると思います。
 今の私が書けるのってそれくらいなんですよね。書き終わってみれば、そんなにポーカーの話をしてない気がします。

 だからこそ、集中力が必要なのでクソ疲れるけど誰でも出来る対策としての価値はあるでしょう。(自画自賛)

 私の書いてあることの誤りや質問などありましたら、noteにコメントを書いたりツイッターにDM送ったりしてくれれば答えると思います。

 シーズンマッチで沼っててどうしたらいいか分からないしポーカー強い人はポーカーの話しかしなくて何も参考にならねぇって不満を持っている人が、沼を抜ける手助けになればいいなと思いつつ、とはいえ対人ゲームの沼は1記事読んだぐらいで簡単に抜けられるものでもないよなーと思いつつ。

 読んだ人がより良い成績を取れるようになることを祈って、このnoteを締めたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?