入試化学演習#2 指示薬の変色域

ずいぶん遅くなってしまってすいません。新歓や実習が重なってなかなか更新ができておりませんでした。


今回は2019年の信州大学からの問題です。大問の中で水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの二段階滴定と指示薬の問題がセットになっているというもりもりの問題です。


二段階滴定の問題はグラフの理解と使う指示薬を把握してほしいのと、指示薬の問題は難関大では頻出ですが、指示薬の原理さえ理解してしまえば非常に簡単になります。

今回の目標は10~15分です。



大事な解説としては、二段階滴定の問題において第一段階まででa mL、二段階まででb mLという場合、水酸化ナトリウムと反応した塩酸の量はa-b mLであり、炭酸ナトリウムから炭酸水素ナトリウムへの反応でb mL、炭酸水素ナトリウムから二酸化炭素と水になる反応でb mLということになります。

また、指示薬については固有のKa(電離定数)が決まっていて、水素イオンの濃度が変わることで[A-]/[HA]の値が変わり、この比率が例えば0.1~10の間が変色域になるといったイメージを持ってほしいです。
つまり、[H+]が分かればその中の指示薬の存在比率もわかるし、逆もまたしかりという考えです。

平衡の問題を扱う際によく伝えることなのですが、平衡について、溶液のpHと考えたいものの比率を規定する値と捉えておくと難関大学でも通用すると思います。


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