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DWSIM:操作シンボルの説明 その1

DWSIMに設定されている単位操作(操作のシンボル)の説明です。

DWSIM v6.4.5

DWSIMの概要は以下を参照ください。

シミュレーションのシンボル

メイン画面のFlowsheetの下側に操作シンボリタブ切り替え画面がある。

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Streamsタブ

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Material StreamとEnergy Streamがある。量、組成、自由度に従った示強性変数を入力することで、状態が計算(シミュレート)される。プロセスシミュレーターは、この状態計算が主になる。他の操作シンボルも基本的には状態を計算していることが基本になる。

Energy Stream は、機器からのエネルギーの出入りを表現するために使われる。

Pressure Changersタブ

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Valveシンボルは、Material Streamの圧力を解放(低下)させたいときに利用する。計算指定方法は、出口圧力を指定、圧力損失を指定、バルブの特徴をあらすKv値(ある圧力差でどのくらいながれるかという指標)を設定して計算できる。

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Pumpシンボルは、液相のMaterial Streamの圧力を上昇させたいときに利用する。動力(Energy Stream)を必要とする。仕事に必要なエネルギーを計算する。

Compressorシンボルは、動力を使って気相のMaterial Streamの圧力をあげる。

Expander(Turbine)シンボルは、Material Streamの圧力をさげて、そこから動力を取り出すことができる。

Pump, Compressor, Expanderは、出口圧力、圧力変化のほか、必要動力や、消費エネルギー、ヘッド(圧力差を高さに換算した値)、性能曲線のいずれかを指定してシミュレーションすることができる。

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Oriffice Plateは、オリフィスの形状により、発生する圧力損失を推測することができる。差圧式流量計の永久圧力損失などを概算するのに役立つ。

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Pipe segment、Pipe Network Operation Unitは、配管圧力損失をシミュレーションできる。

Pipe Segment は、Hydraulic Profileを設定して圧力損失を見積もることができる。Hydraulic Profileとは、配管の口径、粗度、高さ関係、長さなどをからPipeの前後で発生する圧力損失を計算することができる。Network Operation Unitは機能が大きいので別の機会で説明としたい。

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計算例

温度 400K(126.85℃)飽和温水の断熱膨張(圧力開放)をしたときにどうなるか確認してみる。

物質は、水のみ、計算方法はスチームテーブル(IAPWS-IF97)を使う設定としている。

Material Stream 2個、バルブのフロー図を以下のように作る。

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Material Stream 1は、Flash Spec(自由度の指定方法)を、Temperature and Vapor Phase Mole Fraction(温度と気相の割合)を指定とした。温度 400K(126.85℃)の飽和水とした。圧力が245,753 kPa Abs(2.5気圧ぐらい)の圧力と計算された。

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バルブは出口圧力を指定として、101,325Paとした。

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シミュレーションをすると、以下の結果がでる。

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断熱膨張であるので、等エンタルピーになっている。蒸発の飽和温度(100℃)におちており、一部、5%ほどが水蒸気になる。

内部エネルギーは、101325Paの空間に蒸気が広がる分、仕事をするため減少している。(検算は未実施)

まとめ

DWSIMのStreamタブとPressure Changersタブにあるシンボルを整理した。

バルブシンボルで簡単な例を計算してみた。

所感

Pressure Changersだけでもシミュレーションできること整理していきたいと思う。他のシンボルについても説明を整理していこうと思う。

誤り等があれば、指摘お願いします。


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