元旦那がクズだった話 4話目(後編)

前回の続きです。すぐ始まります。なんてったって後編だからね!

玄関を出るなり、母にひたすら謝る私。それを必死に宥めながら母が私にこう言います。

「ちぇる、絶対Kの元に戻っちゃだめ。今から警察に電話するから、お願いだからKのところには行かないで」と。そんな母の懇願を、私は聞きませんでした。

私「お母さん、これ以上Kが家に来るとマンションの人とか近所の人に迷惑がかかるから、Kのところに言ってくる。私を傷つけるなんてビビってできないと思うから、とりあえず話してくるね。」

母「お母さんも行く。ちぇるにもしものことがあったら、お母さんが助ける」

しぶしぶ了承し、二人で家の隣にあるコンビニへ向かいます。本当に車で待っていたKに、このまま逃げてくれればよかったのにな…と思ったのを覚えています。

K「今回は早かったな。ちぇる、乗れ。帰るぞ」

母「今回のことで私はあなたを信用できなくなりました。今娘を連れていくというのならこの場で警察に電話します。娘を返していただけるのなら、今回のことはなかったことにします。お願いですから娘を返してください。」

K「ババァてめぇ寝ぼけてんのか?ちぇるは俺の嫁だから俺がどうしようと俺の勝手なんだよ!おいデブ(私の事)早く乗れ!!」

私「このままじゃ本当に近所の人に通報されて大事になるから、私とりあえず乗るね。私から明日まで連絡がなかったらすぐ警察に連絡してください。行ってきます」

母に怖がっている姿を見せたくなく、そのまま車に乗る私。だめ!行かないで!と母の声が聞こえますが、急発進する車ですぐ聞こえなくなりました。

ここから2時間ほど、行く宛もなく車を走らせるK。私とKの会話はずっと、「母に連絡させてほしい。警察に通報していると思うから、取り下げてもらうように説得する。だから電話させてほしい。」「ダメだ取り下げるわけねぇ」「このままじゃ本当に大事になるよ」の繰り返しです。私の携帯には母からの着信が鳴り止みません。ようやく落ち着きを取り戻してきたKが私に、電話して無事だから通報は取り消しさせろ。といわれました。

母の携帯に電話し、すぐに母が出ます。泣きながら、警察には通報したから!娘を返して!と聞こえてきました。

私「お母さん。ちぇるだよ。無事だから大丈夫。警察の通報は取り下げてほしいんだけど、できる?」

母「通報は取り消しさせる。そのかわり、あなたの顔を一回見たら安心するから、一度帰ってきてほしい。そしたらKのところに帰させるから。ってKにつたえてくれる?」

私「今スピーカーにしてるからKも聞いてるよ。頷いてるから、今から家に向かうね」

そう言って電話を切りました。

家につき、私を下ろす時にKが「警察この辺にいたらいやだから俺家に帰ってるから。明日家に帰ってこいよ」といって私を下ろすなり帰っていきました。

家につくと、母と知らない女性と男性がいました。警察の方でした。

そこから、覆面パトカーに乗り保護していただくことになった私達。警察署につくなり、別の部屋で事情聴取をされました。このときの警官のかたは本当に優しかったのを覚えています。Kの名前を出すなり、警察官の方に

Kってもしかして〇〇 ○(本名)!?〇〇に住んでる?

おっしゃる通りKです。そいつです。と私が言うと

「そうか…わかった。逮捕するのに時間はかからないと思うけど、今回のことでKを逮捕するとするなら、器物破損(カーテン)とお母さんへの恐喝でしか逮捕できないんだ。あとは夫婦の問題になってしまうからね。その他に、Kはまだ覚○剤とかやってないかい?」

私「はい。やってます。売人の方の家もわかりますし、やっているのを目の前で見ています。これからの生活、怯えながら過ごすのは嫌なので言います。心配であれば私の尿検査をしていただいても構いません」

察「いや、見ればわかる。君は覚○剤をしていない。こっちでも君たちに被害が行かないように調査するから、薬を売っている人の名前と場所を教えてくれるかい?」

こんな会話をしたと思います。それから2時間ほど話をし、家に帰ると危ないから知人の家、もしくはホテルへ泊まるように言われました。

その日は警察署の近くのホテルに泊まり、次の日からは母の知人の家に2週間ほどお世話になりました。家へ荷物を取りに行くときは警察の方が送り迎えをしてくれました。

そこから家に帰り、2日に一回は担当の刑事さんがうちへ来て事件の経緯のかくにんと、進捗情報を教えに来てくれていました。

程なくして、刑事さんから「Kを逮捕した。だが、保釈金を払えばいつでも出れる状況だし、罰金を払えば終わってしまう。覚醒剤の件はほぼ煮詰まっていて、釈放前に再逮捕する予定だから、安心してほしい」との電話をいただきました。


そこから、夏の暑い日に風のうわさでKが覚せい剤で逮捕された。刑務所に2年入った。と聞きました。母と、ようやく安心して生活ができるね、今日は美味しいご飯がたべられるね!と話していました。

ある日の夜、母と大好きな密着警察24時を見ていると、私の住んでいる県が出てきました。怖いねーなどとのんきに話していましたが、Kと同じ車、私達の事件と同じ罪状、モザイクがかかっているとはいえ、あまりにも近所の風景が映し出される。担当の刑事さんも同じ。

でも、最後まで疑っていました。まさかね…刑事さんも話してなかったしね…と箸も進まない母と私。

しかも逃亡中、私と共通の友人の女と逃げてました…ことごとくクズですね。

これは私達の件だと確信したのは逮捕の瞬間の映像でした。これが容疑者Kの自宅だ…とナレーション。映し出される見覚えのある外観に青いカーテン。容疑者Kの自宅前のコンビニで我々は待機する…のナレーションのあと、向かい側にあるミニ○トップの看板を映し出すカメラ。

今でも鮮明に覚えています。

このあと、刑務所の中にいるKから桜のスタンプが押された手紙が3通ほど届きましたが、読む前に破り捨てました。

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