大量廃棄されるモノと情報 三島喜美代個展@アートファクトリー城南島 ~東京・千葉アートと取材の親子旅①
すでに一ヶ月以上経ってしまいましたが、この春休みも、上の息子(ウエムス)と親子旅をしてきました。私の「記憶と継承」「負の遺産」関連の展示+ウエムスの作曲の参考になるアートを見て回るシリーズです。回を重ねるにつれ、両者が融合されてきている気がします。
今回は、前にも行った六本木ヒルズの森美術館で、環境に関する美術展を開催するという広告を見て、面白そう、また行こや~というのが発端。
それだけに行くのはもったいないので、何かないかな~とあれこれ物色。ちょうど近くの国立新美術館でマティス展やってるやん! 関西に巡回ないし、これはもう決まり!
でもちょっとまだ弱いなあ。勉強度が低い。
そういえば、ウエムスが、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点を見に行きたいなあ…と控えめに言ってたっけなあ、どこだっけ、DIC川村記念美術館、え、千葉県佐倉市! って前から授業で使ってる論集で取り上げられてて行かなあかんなあと思っていた国立歴史民俗博物館のあるところやん! よっしゃ、この機に行くか!
で、DIC川村記念美術館の予習を兼ねて、こちらの本を読んでいると、すごく惹かれる展示を発見。
それが、アートファクトリー城南島の三島喜美代さんの個展。大量に作られて廃棄されていくものや情報をテーマにした作品が常時展示されているよう。森美術館(私たちの間ではモリビジュと略している)のテーマとも繋がるし、これも行こう!
これで東京・千葉で1泊2日、うん、いい感じや~ん。
と思っていたら、新宿の平和祈念展示資料館から年賀状が。滋賀県に出張展示されたときに(下のリンク↓)学芸員さんにお尋ねすることがあってやりとりがあったのでした。親子で気になる企画展示も開催されているし、行きたい… でも行くとなると2日ではキツイ。
よし、いっそ1日増やして、ついでにもう一か所、前から行かねばなあと思っていた、東京大空襲・戦災資料センターに行こう!
ということで、東京の西の方から東、さらに千葉へと移動しながら見学していくコースとなりました。
2泊3日の旅の最初の訪問地は、アートファクトリー城南島。見学は無料ですが予約制で、一週間前にならないと予約フォームが開かないので、やきもきしましたが、無事予約。
東京に土地勘がないので、どういうところなのかさっぱりわからず。地図を見ても周りにコンビニひとつなく、一体どういうところなんだろう? 想像もつかないまま駅からバスに乗ったら、倉庫とか市場のなかをえんえん走っていく。広い物流の拠点なんですね。
この展示がなかったら一生行く機会がなかったわ~ 見るものなんでも珍しくて興奮しながら目的地に行きました。
こちら、東横インが運営する施設のようで、アーティストのアトリエ(スタジオ?)などもあるようです。
この日は、鉄道ジオラマコンテストをやっていて、お客さんのほとんどは、それを目当てに来られている方のようでした。
ジオラマやミニチュアも大好きなので、そちらも楽しく見せていただき、投票もして、下の階へ。江戸がテーマのようで、誰もいないのをいいことに、あれこれなりきり写真を撮りました。
そして、お目当ての三島喜美代さんの作品群の常設展示へ。
もとが倉庫だったので、空間が広い、天井までが高い! その大きな空間を生かしたインスタレーションがいくつもあります。ぜひ↓の写真をめくってください。
新聞や段ボール、空き缶など、大量に作られ、捨てられていくようなものをモチーフに彫刻を作られています。なんと多くは陶製。どうやってこんなの作るんだろう(迷路のような作品は陶製ではなく樹脂製)。
外国語の新聞は、三島さん自身が旅先で買ったものを転写(なのか?)しているそうで、作家自身の人生が映し出されているものとなっています。
レンガを敷き詰めたような作品も、よく見ると、世界の重大ニュースが転写されています。「ユーゴ軍撤退合意」とか「ソ連で原発~~」といった文字が見えます。
上のインスタグラムには載せられなかった分をこちらに。
歴史的事実としてしか知らないこと、リアルタイムで知ってるけど遠い昔に感じていることが、ほんとにあったことなんだなあと感じさせられる不思議な感覚。
どんどん寒くなってくる、だだっ広い元倉庫という空間と空気感も含めて、たいへん印象に残る展示でした。
来てよかった、ここを始めに予定して大正解だった! 幸先良い旅のスタートで大満足でした。
つづく。
◇とても良かったので、後日、京都のギャラリーでも個展をされていることを知って家族で見に行きました。(⌒∇⌒)
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