ガンダーラ

仕事柄、地域の方と会う機会が多く、かなりの頻度で食べ物のお土産をいただく。

野菜から手作りのお菓子や漬物、稀にお肉など、集めれば道の駅ができるようなラインナップ。

しかし、お気持ちは果てしなく嬉しいものの、極めて偏食の私にとってみると、食べたいものでは無いことが大半を占める。

特に、手作りお菓子は手も足も出ない。
シンプルなものしか食べられない自分の好みの問題は大きいが、
「この人は誰宛に手作りのものを作れることをアピールしたいんだろう。」
というひねくれた思考回路が働き、食べてやれない気持ちになってしまう。

従って、いただき物をほとんど自分で食べることがない。

ただ、捨てるわけにはいかないので、気前のいい人間をアピールしつつ、喜びそうな職場の人に配っている。

そして、できるだけ嘘をつかないよう配慮した上で、私が配った人の感想を添えて、早いうちにお礼を言うという、細やかで丁寧なクズ行為を日常的に続けている。

そんな私は、今日夏休みの子供の居場所づくりをしている地域にお邪魔して、子供達と遊んできた。

男兄弟と女の子の3人と、 真剣なボール遊びとお絵かきをして過ごしたところ、帰りに彼らは
「ありがとう。また遊ぼう。」
と言ってくれた。

薄汚い大人の私は、どこかでひねくれ、素直に人の善意を受け入れられなくなっている。
反省した。

偶然にもその帰り、後輩に別の地域の方から野菜と漬物を取りに来いという連絡が入り、一緒について行ったら、私にも漬物をくれた。
本人が炒めたという高菜炒め。

早速、お昼の弁当にのせて食べた。

が、好みではなかった。
残りは別の後輩にあげてしまった。

善人の道は天竺より遠い。

#高菜炒め

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