見出し画像

SPCクラス〜新しい組織の形〜

耳をすませば、今日も若手フォトグラファーの苦悩が聞こえる。

若手のフォトグラファーというのは大抵悩んでいる。

それもそのはずで、デビューまでは講師の指導があるものの、それ以降は出張撮影界隈という荒野に一人放り込まれるからだ。

周囲にはデビュー前に繋がった仲間がいるが、その仲間も何が正解か分かってはいない。

若手フォトグラファーはサルトルが言うように、「自由の刑に処されている」のである。

自由。

上司もいない、ノルマもない。
どう撮影しようが、何にリソースを注ごうが一向に誰も構わないし、それを咎めない。
(依頼主からのクレーム以外は)

私が知る限り、私が出張撮影を始めた4年前から、この界隈は道なき荒野である。

成功サンプルはあまりに少なく、またそのナレッジの共有もあまりない。

さらに有象無象の情報が飛び交い、情報にミスリードされている可能性も否めない。

カメラを片手に道なき道を歩む、それが苦悩を呼び、また楽しみや喜びに変わっていくものでもある。

道なき道を楽しめるか、それは今の人たちは環境を選ぶことから始まるのだと考えている。

先駆者たちは環境を選ぶことができなかった。

大いに悩み、実験し、失敗し、リスクを取ったからこそその道で先駆者となっている。

そして出張撮影界隈も開拓時代が終わろうとし、市場も成熟し始めている。

参入障壁も過去に比べてそれなりに高くなってきている。

駆け出しの人たちは、自分の成長を後押ししてくれる環境を選び、先駆者が築いた知識技術を学び活用し、なるべく早く市場に自分を売り込むと良い。


新しい組織の形


自分に合った、成長できる環境を選ぶとはどういうことか。

SPCではクラス制度によってそれを叶えようとしている。

従来の組織である「会社」と比較して、私が考えている新しい組織の形を説明したい。

会社では上司や先輩という立場の人が、新入社員の育成の責任を負っている。

上司や先輩はその役目と責任を負う代わりに、役職手当などの報酬を受け取っている。

一方で新入社員は仕事を教えられたり、指導やアドバイスをもらえる環境にいる。
場合にもよるが、それは恵まれた環境なのかもしれない。

その代わり給料は安く、自分で稼げるようになっても、その売り上げは会社のものとなる(自分の取り分をコントロールできない)。

これが良くも悪くも従来の組織だが、今となっては大きな問題がある。

それは「若手は上司を選べないし、上司は部下を選べない」ということ。

いわゆる昨今のSNSで上司ガチャ、新卒ガチャと言われる現状である。

環境を選ぶ自由はなく、半強制的に環境の当たり外れを受け入れなければならない。

出張撮影の界隈では、この従来の組織の形では絶対に成り立たないと確信がある。

なぜなら出張フォトグラファーの悩みの種であり、最大の楽しみと喜びとは「自由である」ことだから。

なのでみんなには、自分で教わりたい先輩や上司の代わりとなる人を見つけてもらいたい。

それがSPCのクラス制度による、クラス=学ぶ環境を選ぶことである。

学ぶことはタダでは難しい。

会社は学べる環境を用意してくれるが、その分の回収は給料に必ず反映される。

それなら自分で選んだクラスに月謝を払えば良いではないか。

十分だと思えば卒業したって良い。

一生搾取されることなんてない。

クラス講師は育成に対する責任を負うが、管理職手当の代わりに報酬を得ることができる。

それにプロがプロに教えるという高次元の環境は、講師の成長すら促すはずだ。

SPCのクラス講師は皆プラチナランクのLGerだ。

プラチナランクであるということは、社内トップクラスの撮影スキルと実績、社会人としての基礎能力、を備えているとLG本社が認めている人物たちである。

そしてSPCのオーナーである私も彼らを知っているし、信頼を置いている。

きっと彼らはこれから荒野を駆け抜けていく若手の力になってくれると信じている。

この新しい組織の形が、私なりの「若手フォトグラファーの苦悩」に対する答えだ。

私が4年間、苦悩の声を聞き続けながら試行を重ねて出した答えだ。

この答えがフォトグラファーたちや出張撮影文化にとって、少しでも実りになるよう願っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?