見出し画像

自分のことばを使って生きてる

久しぶりにnote、書いてみようと思う。
緩〜い気持ちで読んでくださいませ。


8年ぶりに海を渡った。
つまり、8年ぶりに文化・習慣・言語を振り回していても通用しない国に行ったのだ。といっても、お隣の国だから似ている部分も多く、異国からの旅行者としてもまったく珍しくない人として数日滞在してきた。

都心のホテルに滞在したが、日本人観光客は少なく、フロントとのやりとりも日本語では通じない。それでもチェックイン/アウトしなくちゃならないし、問題があったらそれを説明しないといけないし、教えてほしいこともある。
ホテルに滞在するだけでも
「ことばを使った課題達成」が多いことを思い知らされる。


街に出る。
地下鉄とバスの路線が張り巡らされた市内。動くにはそれらの路線図が必須。ホテルのフロントに夫婦で立って
夫「地下鉄の…」
私「subway map plea…」  ←二人とも言いさし
フロントさん「@*@*(現地の言葉)」  

…で、路線図ゲット  

多言語の路線図を見ながら最寄駅へ行き、
多言語の案内表示を読み、チケットを買い(これはすべて日本語)、
正しい方向のホームに立ち、地下鉄に乗る。
目的地最寄りの駅で下車し、
駅の多言語地図を見て目的地の位置を確認。そちら方面へ歩いていく。 

…で、目的地到着

疲れたら、カフェに入る。
多言語のメニューを読んで、
夫「カフェオレ…ワン」
お店の方「regular? large?」
夫「レギュラー チュセヨ」 ←ちょっと照れてる
お店の方「(私を見る)」
私「アールグレイ レギュラー 1つ」 ゆっくり言って、人差し指を立てる
お店の方「OK」    

…で、飲み物ゲット


あらためて、人はことばを使って日々を生きているのだと感じる。
それが当たり前にできる自国での生活では感じにくい。
でも、ひとたび海を渡るとその繰り返しにエネルギーを使い、
エネルギーを使っているからこそ、ことばを使っていることを自覚し、
自国にいる日本語が母語ではない人たちのことを想う。

しかし、ここでは自分のことを伝えたい。
外国に行ったなら現地の言語を使わなくちゃという気持ちがあった。
それは強迫観念のように自分に迫ってきていた。これまでは。
でも今回は『指差し会話帳』も取り出さなかった。

それは、現地の言語1つだけを優位に考えるのはやめたいという気持ちがあった。
私も一人の人間としてそこにいる。
母語(日本語)を話し、英語はちょっと話せ、韓国語は単語を聞きかじっているし、ハングルも頑張って読もうとしている。そんな私だ。
私の中の複言語を感じ、現地の言語を無理して使うストレスを和らげ、
頑張って現地の言語を使うことで、夫が私に頼り切りになるのも避けたかった。
一緒に楽しみたい。

それで、二人して自分の中にあることばを取り出し、ジェスチャーしたり、
相手の反応したことばを繰り返してみたり、スマホで調べたり……
ことばを使って生きる中には、言語外の方法もテクノロジーもある。
それらを使っても使わなくても、何とかして自分の言いたいことを伝えたり、
言われていることを受け止めたりすることはできる。
それは楽しい営みだ。


じゃ、何故ことばを学ぶのか。
それはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠:Common European Framework of Reference for Languages)にもあるように、
「効果的に行動できるようになるため」である。
たかが数日の旅行者であれば、私のようにその体験を楽しむだけでいい。
言語を必ずしも学ぶ必要はないと思う。
しかしながら、長期的に生活するのであれば、そうはいかない。
その社会の中で自分を大事にしながら生きていく必要がある。そのためには効果的に行動することが必要である。

そのためには自分のことばを学ぶ/磨く必要がある。
自分も他者も傷つけず生きていくために。
そして、自分の人生を作っていくために。

この「自分のことば」とは何だろうか。
それは、ここまでの文脈なら外国語(生活する国の言語)に聞こえるかもしれないが、母語も同様である。
自分が生活する社会の中で自分を大事に生きていくためには、
伝えることばを磨いていく必要がある。
そのためには、磨く機会がないと磨かれない。

今回の滞在先(もうバレてるよね)では、
生活の中で自分のことばを磨くのに余念がない。
そこここで人が喋っている。アウトプットが盛んだ。
読書など積極的インプットはあまり見なかったけれど、盛大に喋っている。

その盛大なお喋りは、人生そのものだ。
人と繋がり、自分を伝え、リアクションを楽しみ、また喋る。
「ネー、ネー」「アニョ、アニョ」
共感したり、異論を伝えたり。

生きていく中で大切な「自分のことば」。
ああ、それが磨かれるから効果的に行動ができて、課題達成…。
私は職業として、その機会を作っているんだ…。
そんな自覚を持っていようと思った今回の旅でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?