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バトル漫画としての「葬送のフリーレン」(パート1というか、本題に入る前のネタフリ)

公式のサイトでも「後日譚ファンタジー」って書いてあったと思うし、フリーレンについて語る人の多くは、そっちの冒険譚が終わったところから始まる物語ってところが面白いとか斬新だとか書いたりしゃべってると思うので、ここはひとつあえて逆張りっぽく「バトル漫画」としてのこの作品とかいったことを、これからだらだら書きます。

まずはバトル(といっても魔法をつかった戦闘方法がメインだけど)の話をする前に、そもそもの魔王討伐後、メンバーの短命種が年老いて死んでいくって話の展開を連載開始当時に最初に読んだとき(TwitterのおすすめマンガでかなりしつこくCM入れられたからサンデーうぇぶりで読んじゃったよ、無料パートまで)、私はこれを「出オチじゃん。で、このあとどうすんだろ?どう話を続けんだ」って思ってそれっきりにしてたんだけど、アニメ化されるって話をきいて、そのあとシュタルク参加、アウラ戦あたりまで一気に読みましたよ(祝アニメ化ってんで結構長いパートを無料公開やってたからね)。

で、その時の印象が最初に読んだときの「出オチ感」から、なんだ、ちゃんと普通の物語に着地してるわ、って感心したの。
つまり私に言わせりゃ、後日譚はアニメ初回放映の第一話~四話あたりで終わっていて(フリーレン的世界の紹介・導入でもあったのだけど)本格的に物語が始まるのは、第一期メンバーのハイターからフェルンを託されたあたりなんだよね。

で、第二期メンバーの集合と同時に過去の回想やら残存する魔族やら魔物とかの戦いやらなんやかんやで話は進んでいくけど、第二期の旅の目的はかなりふわっとした「魂の眠る地、オレオールに行ってヒンメルに会いに行く」なんだけど、まぁ千年以上生きてる長命種だからか、急いで目的地に行こうともしないし、他のメンバーも、「師匠について魔法修行の旅をしてます(フェルン)」、「師匠の元パーティーメンバーに誘われて師匠が若いころやった(くだらないけどおもしろかった的な)冒険旅行に参加してます(シュタルク)」って感じで、誰もそこまでオレオールに行きたいとか、たぶん全然思ってなくて、「なんかフリーレンが行きたいっていってるから、じゃあ目的地はそっちね」程度のことのようだ。そこは第一期メンバーの目的だった魔王討伐とは重要度とかメンバー同士の合意とかとはだいぶ違っている。

でもオレオールまでの道のりは結構ハードで、物理的に冬山で遭難しかけたり魔物やら魔族やらうじゃうじゃいるところを通っていかないといけないとか、物語を進めていくうえで必要な障害となるものは揃っているようなんだけどね。

そうだ、タイトルにバトルの話とか書いてる割に、まだストーリー展開の話しかしてないな。バトルの話よ、バトル。
でもま、それはたぶんほぼ一言か二言で終わっちゃうからね。そんで一言か二言で終わっても、それはそれでいいんだけど、その前にやっぱ主人公たちのキャラについてひとこと言っときたい。

キャラっていうのは、ヒンメルが埋葬される時になって初めてフリーレンが涙したというか号泣したってところで、そこは物語冒頭の基本的なキーというか基調音となる大事なパートで、多くの人が感動する場面なんだけど、あえてそこでツッコミいれるとすると、ふつう長命のエルフなら、それまでの経験で日々のありふれた出来事や人間関係を築いていた仲間やパートナーのきずながいかにかけがえのない大切なものだったかを知るのは、それは常に失われてしまった後でしかわからないってことはもう知ってるんじゃないのかってこと。まぁフリーレンはまだ若いエルフだから、そういう経験は師匠のフランメとの関係ぐらいしか持ったことがなかったから、それ以外の人間と濃厚な関係を持ったことがなかったからですって話ではあるのだろう。
でも作者はそういったかつての仲間たちがすでにこの世を去って一人だけになってしまった年老いたエルフのクラフトやドワーフのフォル爺なんかは女神の宗教に救いを求めたり、かつての(豊かであった)記憶をすり減らしてしまった状態として描かれている。それはフェルンやシュタルクたちが先に逝ってしまった後のフリーレンの姿を暗示しているともいえるんだよね。

なんか長くなってしまった。とりあえず、パート1として、ここで区切りますわ。

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