6月11日(火)振り込め詐欺救済法を知る
「急な申し立てで申し訳ありませんが、本日午後半休をいただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」
社内チャットに流し、休暇を取得。ブラックな残業も明るくこなした日々の融通をきかせて下さいよ貯金が溜まっている。こんな日こそ放出するのだ。
明るいうちに会社を出て、サラリーマンが忙しそうに往来するオフィス街を解放されたリズムで歩くのは気持ちがいい。それが警察署に向かう足だったとしても。
取調べ 調書 犯人 被害届
セリフのような単語が私の人生で使われていることに少し高揚していた。
昨晩、話を聞いてくださった女性刑事の水谷さんに案内され、小部屋にとおされる。
「被害届だされますか」
「まだ決めかねています」
「わかりました、いつでもだせますから」
水谷さんは私が届け出を出さないことに、怒ったり、がっかりしたりする様子を臆面にもださない。私の判断を尊重してくれる。被害者とどう対峙するか信念をしっかり持っている。だから、私も率直に心の内をさらけだせる。ステキな働きマンだ。
「出さないデメリットってあるんですか」
「例えば、証拠をおさえることができず、なくなってしまうとかです」
「わかりました、肝に銘じておきます」
「昨晩、おしえてくださった口座、凍結しました。すでに凍結されいた口座もありました。その中で一部、お金が残っている口座もあり、振り込め詐欺救済法の対象なので金融機関の専用窓口に電話してください」
預金保険機構HP
https://furikomesagi.dic.go.jp/
「私が振り込んだ口座全部、凍結されてそのほとんどが既に凍結対象になっていたのですか」
「そうですね 明らかに詐欺用の口座ですね。」
まじか
「被害届だします。吹っ切れました」
「わかりました。準備します」