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Nikon Z6/Z6IIの4K30p動画のDXフォーマットと電子手ブレ補正

Z6/Z6II※は全画素読み出し4K 30p動画が撮れるとあり、いわゆるオーバーサンプリング4K動画が撮影可能です。ピクセルビニングに比べ解像感のある動画が撮れるとされています。
※以降、まとめてZ6と呼びます。

しかし、ここで気になったのが以下の2点です。
・撮像範囲をDXフォーマット (APS-C) にした時も全画素読み出しなのか?
・電子手ブレ補正有効時はクロップされるが、その時も全画素読み出しなのか?

そこで、この2点に関して憶測ですが画素数を計算してみました。

まず、Z6のイメージセンサの画素数は写真の撮像範囲仕様から
6048 x 4024 の約24.3Mpixel
です。
35mmフルサイズセンサーは3:2のアスペクト比ですので、16:9の4K動画で使用される画素は
6048 x 3402 の約20.6Mpixel
と考えられます。
これらが全画素読みだされ、4K動画の画素数 3840 x 2160 にダウンサンプルされます。なお、このときオーバーサンプリング比は1.58です。

次に、撮像範囲をDXフォーマット (APS-Cフォーマット) にクロップした時もオーバーサンプリングになるのか確認します。
DXフォーマット時の写真の撮像範囲仕様は
3936 x 2624 の約10.3Mpixel
です。同様に16:9に換算すると
3936 x 2214 の約8.7Mpixel
となり、ぎりぎり4K動画の画素数 3840 x 2160 より大きいです。そのため、DXフォーマットでも全画素読み出しでダウンサンプルされていると予想できます。オーバーサンプリング比は1.03です。

画像1

それでは、電子手ブレ補正はどうなるでしょうか?
公式の情報でクロップ率が明記された箇所が見つからなかったのですが、非公式でx1.1であるという情報がありました。また、実際に定規を撮影して約1.1倍クロップであることは確認しました。
とりあえずこのクロップ倍率で計算してみると、
FXフォーマット 5498 x 3092
DXフォーマット 3578 x 2012
でなんとDXフォーマットの方は4K動画の画素数に足りていません

実際どのような信号処理がされるのかわかりませんが、少ないセンサー画素数から無理やり4K画素数の画像に拡大しているとすると、アンダーサンプリングでやや画質は低下することになります。

画像2

このことから、DXフォーマットかつ電子手ブレ補正ONの設定は画質が低下している可能性が考えられます。
違いが明確にわかるか疑問ではありますが、DXフォーマットかつ電子手ブレ補正ONの設定の組み合わせでの利用は注意が必要そうです。
(しかし、あくまで素人である筆者の考察であるため参考程度としてください。)

2021年2月発売予定のNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sはいわゆる小三元標準ズームで他社よりも望遠端が1割以上長いので、DXクロップとの併用で動画での使用も便利なのではないかと思っています。
動画用としてはすでに発売済みのNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRも適していると思います。
さらに、DXフォーマット限定で割り切れば安価で手に入るNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRの選択肢となります。
動画用レンズは非常に悩ましいところです。DXフォーマットクロップとの併用時参考になれば幸いです。

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