鍋でご飯を炊く

日本での話。

妹は玄米を夕ご飯に食べている。3日に1回くらいの頻度で炊飯器で炊いている。

一方、母と私は、白米を食べる。こちらも、数日に1回炊飯器で炊いていた。

ある日、妹が玄米を炊く日と私たちが白米を炊く日が重なってしまった。

それで、私が、「白米を鍋で炊くよ」と言った。

すると、母が「大丈夫?鍋で炊けるの?焦げない?芯が残らない?芯が残ったご飯を食べたくないよ。」と何度も言った。

私の料理技術を心配する母。

私は、「鍋でご飯を炊けるよ。いつもモスクワではそうしているよ。」と言ったが、それでも、母はまだ信じていない。

さらに、私は、「小学校の家庭科の調理実習でも鍋でご飯を炊くよ。」と言ったが、それでも、まだ母は信じない。

とりあえず、ご飯2合を鍋で炊くことにした。

モスクワは電気コンロだが、実家はガスだから、火の回りが早く、15分で炊け、10分蒸らすから、25分で出来上がった。

炊飯器で炊くよりも早くて、おいしいということが分かった母。しかも、ご飯粒はふっくらと大きく、つやもある。

それからは、私が鍋でご飯を炊いた。

その後、私がいなくなったら、母は炊飯器に戻ってしまった。1度鍋で炊いたようだが、失敗したらしく芯が残っていたらしい。

ご飯の炊き方も紙に書いてきたが、実際に炊いているところを1回しか見ていなかったからなのか、母の料理技術の問題か分からないが、失敗したようだ。母が子供の時は、おかまで炊いていて、その時の合言葉が頭に残っているようで、私の注意書きを読まなかったらしい。

それにしても、私は鍋でご飯を炊くのを失敗したことがないから、もう炊飯器で炊くよりも鍋で炊く方がいい。

モスクワにも炊飯器のようなものが売られているが、我が家では使わずに鍋で炊いている。

日本の技術はすごいが、ひと昔前の生活にも良さがあり、なんでも文明の機器に頼りすぎると、それがない生活になったら困ることもあると思う。

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