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タイトル①

高校三年の頃、大学生になった先輩を見て、大人になるということは何処か輝かしいものなのでは無いかなんて思っていたし、それを夢見てもいたけれど、いざ大人になってみたとしても 何をして良いかも分からなければ また前方から迫ってくる 「将来性」なんて云う抑圧、
偶発的に現れるコミュニティに身を沈めて見ようかなんて思うけれど凝り固まっていく発想と積み重なっていくバイアスが邪魔をするのが関の山、
歳が至らなければ まだ子供だと言われることが嫌でそれなりに背伸びをして大人のフリをしてみたことがある ハロウィンだとかイベントに託けてめかしこんだド田舎の高校生が都会人の振りをして電飾だらけの街に溶け込むみたいにね
今となっては 歳が歳だからというワケで、否が応でも君は大人なんだからと諌められてしまっているがしかし、心の中はとんでもなく無邪気であったりするのだ

そりゃ煙草はしこたま吸う機会あらば酒すら飲む、とは言えど中学生の倍ほど弱音は吐くようになったし、笑いのツボも学びの質とやらもかなり浅くなったのだ、それに引き換え泣かなくなったし 猜疑心など生まれなくなったし 意図も容易くコミュニティに軽薄な視線を向けるようになってゆく、今すぐ一部のコミュニティをまとめてメルカリに売り飛ばせるくらいね

どこに行きたいか何が欲しいか何でありたいか何を求めているのか何を目指しているのか分からないし考えるのが嫌だから放擲してやるのだそんなもの、怖くもなんとも無い ちょっと本当であとは嘘 本当は怖い

あゝ嫌になっちゃうねと言って何でも投げ出せたら良いのだけれど取り敢えず気の紛らわしに車窓から外でも眺める、足利の紅葉が綺麗だ 次は野州山辺か 普段皆外など見ないのに 何となく色付いた外をしきりに眺める人々が居る、駅名の由来について一刻思案する老婆、ベビーカーの上でガラガラを振り続ける赤子、不動明王の様な凄みで眠る年増の男、皆 疲弊と苦悶に疼いている、とにかく紅葉が綺麗だ ハロー韮川

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