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Ruta40-承


財布がない!盗難だと思い、ぱにってフロントのMujerに訴えた。しかしそれは私のミス。大災難という映画に、飛び込んだ安ホテルで寝てる間に財布を抜かれるという場面があり、ズボンのポケットから枕の下に財布を移動させたことを忘れた自分がお騒がせ野郎だった。その日はそういうスタートだった。

さて、メインイヴェントの雲の列車搭乗に心ウキウキ始発駅に向かった。着くとなんか変な雰囲気。聞くと昨夜の大嵐で運行中止だという。うっそーー↓。ネットで買った前払い運賃戻してよっ!とお願いして車に戻った(結局、運賃はリファンドされなっかたが)。仕方ない、駅のそばのRoundAboutの標識に従って次の目的地に向かおうとすると、若い警官に止められる。この路は土砂崩れで通行止めになってる。Ruta40を使えという。ありがとう!走り出す。

しばらく行くと砂利道となり登り坂になる。登るにつれ道幅がどんどん狭くなる。対向車と交わせるとは思えない。ガードレールはない。ただ山肌を削って固めただけの道。転落の恐怖。戻ろう!Uターンできそうな最後チャンスで、何度もハンドルを切り、ブレーキをキイキイさせ、なんとか麓まで戻る。どうしよう?次の目的地に行くにはこの道しかない。しかし、自分ひとりで行く自信はない。転落して、誰にも発見されず遭難する姿が目に浮かぶ。そうだ、旅は道ずれ、だれかに先に行ってもらい、その後に続けばなんとかなるだろう。

しばらく待つ。来た。VWのバン(Ruta40にこれほど似合う車はない!)。旅慣れた若い男女2人組だ。よし!と思ったら、私の車を越した先で、彼らも止まった。動かない。こっちが先に行くのを待ってるのか?あんな旅慣れた風の2人「でも」躊躇している。だめだ。この道を行くのは止めよう。分岐点まで引返す。雲行きは、昨夜の嵐を引きずって怪しい。暗い、厚い雲が流れ、小雨も降っている。天気は私の心象そのものだった。

さてどうするNomad! ~To be continued to「転」

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