年齢は関係ない

残したい出来事があったので久々にnoteを書いてみます。

今日は小・中学生の勉強をみる「農園寺子屋」の日でした。コロナ禍に突入してからオンラインに切り替えてもうすぐ一年になります。その寺子屋の授業の中で中学3年の受験生から教えられたことがありました。

「社会」の成績を伸ばす方法=色んな人と交流すること

いつも授業が終わってから少し雑談をしますが、その中で興味深い話を聞くことができました。彼は社会が得意でいつもテストで好成績をあげています。その秘訣を聞いた時の答えが「色んな人と交流すること」でした。

その中学3年生の男の子はとにかく好奇心旺盛で、ひとりで、あるいは親御さんと一緒に色んなところに積極的に足を運び、色んな経験を積んでいます。外に出ることで老若男女問わず多くの人たちとの交流しているのですが、その経験が「社会」という教科に良い影響を及ぼしているのではないかと言うのです。多くの人と交流する中で、様々な性格の人と会い、多様な考え方や社会、文化に触れることが成績に出るのではないかと分析していました。

正直驚きました。

よく見て、よく分析している。大人の自分が考えつかなかった内容に、少し悔しさや、嫉妬心すら湧くほどでした。そのぐらい彼のこの主張には「なるほど」と納得させられるものがありました。

自分の経験を振り返って考えてみると、社会の科目が嫌いになる時はそれがただの”記号”になっていて、それを頭に叩き込むだけの”作業”なっていました。逆に、自分の好きな範囲に入ると急に自然に頭の中に入ってきていました。恐らくそれは「ストーリー」を感じられたからなのだろうと思います。歴史でも地理でも「人が生きた息遣いを感じられる」時、それはただの記号の羅列ではなく物語でした。記号を読むだけでは頭に入ってこないことも、物語であれば頭に入ってくる。というよりは「心で感じる」ことが出来ていたように思います。だからこそ身につき、テストという形にも反映されていたのでしょう。

色んな人と交流することは、その人たちの「ストーリー」に触れることだと思います。日々多くの人たちの物語に触れ感覚を磨き、感性を広げ、好奇心を育むこと。これらを通じてストーリーを感じ、想像する能力が育ち、学習力にも影響するのではないでしょうか。その中でも「社会」という教科は親和性が高いように思います。彼の理論にはすっかり納得させられてしまいました。

大人と子供の境界線

このように、子供と付き合っていると「ドキッ」とさせられることは少なくありません。小学生に驚かされることもあります。大人顔負けの能力を垣間見ると「子供のくせにすごいな!」と思ったりする訳ですが、ではどこからが子供でどこからが大人なのでしょうか。

今まで色んな年代の人たちとの交流を重ねてきましたが、その経験からすると中学2〜3年生という時期が一つの境目のような気がします。中学1年生の時期は小学校の延長戦といった体で、まだまだお子様だなという感覚が否めません。それが中学2年から3年生にかけて一気に様子が変わる子が多い気がするのです。そのきっかけとなるのが、恐らく受験や就職など進路を考えることです。この時期は多くの子どもたちにとって初めて自分の人生の舵取りを迫られるタイミングです。ここでの選択の重みが彼らの意識を一気に成長させるのではないでしょうか。

武家の時代、男子は15歳になれば元服(成人)し、大人とみなされていました。現代においても身体的な面ではこの歳になれば大人と変わらないか、それ以上の能力を身につけています。進路を考える時期もちょうど同じタイミングであり精神的にもぐっと大人びてくる。もしかしたら大人になる・なれる時期は昔も今もそんなに変わりないのかもしれません。

学び合う上で年齢は関係ない

だとしたら中学生や高校生をただ”こども”として扱うのはどうなのでしょうか?わたしもつい”こども”として接してしまいますが、この年代の考え方はもう既に大人と変わりありません。確かにいわゆる”大人”と呼ばれる私たちとの違いはありますが、それは知識と経験の蓄積量の差。あとは「役割」の違いでしょう(例えば「親」という役割は年齢を重ねないとなれませんから)。こと「可能性」という点においては”大人”と何ら変わらないか、それ以上のものを持っているのではないかと思います。

結局のところ、行き着くところは「人」対「人」であるということ。今回は中高生を引き合いに出しましたが、もっと小さい頃でもそれは変わりません(動物だってそうかも)。相手を「こども」だからと常識の枠にはめて抑え込むのではなく一人の「人」として向き合う。そうやって交流することで”こども”たちは成長し、彼らと関わる”大人”もまた成長できるのではないでしょうか。

年齢の差はあっても学び合える。そう実感させられる出来事でした。

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