8-3 ディミトリは東洋の〇態文化について行けない 小説:女主人と下僕
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もくじ
頬を赤らめたマーヤが、ディミトリの視線を感じて視線を所在なくさまよわせつつ、蚊の鳴くような小声で囁く。
「ディミトリ様は、ベ、ベッドにそのまま腰掛けていて下さいまし…」
マーヤはディミトリが腰掛けているベッドの真下の深いこげ茶色に光るチークの床の上に置いてある、細かいイスラム文様のびっしり入ったとびきり高価なペルシア絨毯の上に、両膝をついてディミトリに対面した。
黒鉄の奴隷の首輪を付けた浅黒い肌の自分が、自分のそれを盛大に痛いほど屹○させたままベッドに股を拡げ気味で腰掛けているところに、真っ白でねっとりとした肌の高貴の子女、しかも処女のあどけない童顔の娘が、全裸の肩に薄菫色のシルクの薄いガウンを羽織っただけの状態で、床に正座するように両ひざをついている。
処女のマーヤは、黒目がちな瞳を恥ずかし気にうるませ、今から口で御奉仕させてくれ、などととんでもないことを言い張りながら、その怪しげな古書の指示のとおり、床に東洋風に正座した。そしてマーヤは、両手を揃えて床についてスッと背筋を伸ばしたままでゆっくりと頭を垂れて、指をきっちり揃えた両手と、頭とを、床にしっかりと押しつけ、古代の皇帝に後宮の女たちがやるはずの平伏の最敬礼を行った。お辞儀の瞬間、着ている薄い菫色のシルクのガウンの裾が、マーヤのさらさらとした光る黒髪が、艶々と光りながらふわぁと流れるようにチークの床とペルシア絨毯に大きく扇のように広がった。
(…敗戦奴隷のこの俺に…な、何をなさってるんだこの方は…ッ...な、な、なんだこのイカれた状況ッ…!!!)
ディミトリはこの、どこからどう見ても禁忌を犯しているようにしか見えない、倒錯的な絵面を見せつけられただけで、頭がどうかしてしまいそうだった。
マーヤは面を上げ、両手を使って、さらさらと流れる黒髪をそっと片方の肩に寄せ、黒目がちな濡れた瞳で、ディミトリをじっと見つめ、じっと見つめたまま、かすかに甘い息をあえぐように吐きながら、ゆっくりと少し口を開けた。
濡れた瞳でディミトリを見つめたまま、わずかに肩を震わせるようにしつつ、そのすこしだけ開いた唇と唇の間の真ん中から下唇の上に舌が触れるか触れないかくらいにほんの少しだけ、ちろりと舌を覗かせた。
ふだんは生真面目そのもののマーヤが無意識にやった、まさかの痴〇めいた扇情的な様子を、ディミトリは目を見開いて見つめた。
そして。
いきなり局部を掴まれ豪快にしゃぶりつかれるのかと思いきや、マーヤは、まず、ゆうっくりと泳ぐ蛇のようにかすかに全身をゆうるりとゆうるりとくねらせてつつ再び頭を垂れ、艶々しい長い黒髪を揺らし、床のディミトリの足の甲にそっと口づけしたのだ。
いかつい敗戦奴隷の男の、浅黒い足の甲に!
「ぐ!」
ディミトリはもうそれだけでほとんど泣き声に近いような呻き声を漏らした。
そのままマーヤはディミトリの浅黒い健康そうな足の指の股にちゅ、ちゅ、ちろ、ちろ、とそうっとそうっと口づけをしていたと思ったら、突如、可愛らしいピンク色の舌を固くして、足指の間に、ぐっ、と深く差し込んだ。
「ぐぁ!」
ぬうるりとした固いものが足指の間を貫く感触。
更にマーヤはディミトリの内側の足首くるぶしの骨の出っ張っているあたりを柔らかい唇で、ちゅ、ちゅ、と繰り返し口づけしてくる。
その刺激を受け、ディミトリの掌の真ん中を通って腕の中心に、背骨を通って頭から尾てい骨の方へ、足の裏から足を通って太ももの付け根側に、尾てい骨の付け根のあたりに向かって、痛くない痛みのような熱い感覚が何度も何度も熱く貫いてきて、鳥肌が立つ。
無意識なのだか、書物の技の通りにやっているのか、それすらも不明のマーヤの手管。
次話↓
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マヨコンヌの官能小説『女主人と下僕』
昔々ロシアっぽい架空の国=ゾシア帝国の混血羊飼い少年=ディミトリは徴兵されすぐ敵の捕虜となりフランスっぽい架空の敵国=ランスで敗戦奴隷に堕…
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