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三島由紀夫おすすめ恋愛小説『肉体の学校(本)』のネタバレ考察・感想


『女が男に振られる』という最高にださい事象をここまで気高い恋愛物語にできた小説家が他にいるだろうか!

もしここで三島由紀夫じゃなくて女の恋愛小説家ならこの、『金持ち妙子なんて本気で愛する訳が構造的にありえない貧乏ジゴロ』であるこの『千吉』という男について、

『本当は千吉も妙子を愛してる部分もあったのよ…えーっとそのなんだ、ちょこっとその、適当な気持ちでたまには…愛してた…ようなそうじゃないような…?たぶん』

みたいな、メッチャムリクリな、くそだっさい虚偽を、グダグダ、グダグダ、グーーーグダと小説内にいっぱい挿入してしまうだろう。

なぜならそこの虚偽をスパッと暴いてしまうと、主人公の女=女小説家自身の投影=読者の投影には『男に愛される価値はなかった』『誰にも愛されなかった人生であった』、という

『自覚したら恥過ぎて死ぬしかない程に見たくもないあたりまえの真実』にたどり着いてしまうから。

だから、多くの女は、多くの恋愛小説は、その絶対に自覚したく無い恥を自分の心の中からも、全力で『隠蔽』してしまうのだ!

これが『いわゆる女の頭の悪さ』の源泉なのである。

(ただねーこの『モテなかった女の苦悩』って、実はねー自分が他の女よりもモテたとかモテないとかそんな次元の苦悩なんかじゃ無いのよ。『モテなかった女の悲しみ』とはオンナが生きている限り抱えている絶対に解消されることのない原初的・根源的な不安なんだっちゅーのよ!!だからそもそもどんなにモテようがどんな素敵な人に永遠に溺愛されようが決して消えない不安なのよ。相手のせいではなく、ただ女に産まれたら死ぬまで抱える不安なの。そんなどうしようもない普遍的・根源的不安にこだわってどんなにあがいてももともと絶対に解消できないし、なにより、そういうい根源的な不安の部分まで、誰々に愛されなかったせいで自分一人が陥ってる不安だとか不安だと勘違いして、自分よりモテる同性を妬むとか自分を棄てた男を恨むとか、そういう妬み恨みの形で苦しみを消そうと足掻くのは、実は問題を増幅させるだけな愚の骨頂なのよネ)

話戻るが、さっき書いたように、これを書いたのが三島ではなく一般的な女小説家だったらば、きっとこの小説の中に『千吉がたぶん妙子を愛していた事を暗示するうっすい証拠』をデタラメに捏造して、いくつもいくつも付け加え続けるであろう。

それはモテなかった悔恨・プライドの傷つきを小説で晴らしたいその女作家の願望であり、同時にその嘘を信じることは『世界の全女性が永遠に望み続ける原初的・根源的な不安を解消したい願望』でもあるので、

女性向け恋愛小説界には通常運行でこの嘘が『横行』しているが、

そんなもん明らかに小学生でも解るIQ30レベルの『大嘘』なんである。

ジョジョ アニメ 第三部 第42話

『ウソをつくなああああああーーーーッ!!』

(byポルナレフ)である。

しかもこのタイプのキモキモ&クソダサな嘘を本気で信じることには副作用まであって

実は、信じれば信じる程更にモテなくなるのである!

さらには信じれば信じるほど頭まで悪くなる!果ては自分で自分を罠に引っ掛けて自分で自分を不幸に堕としていく羽目になってしまう!!!!

説明しよう!

つまり『千吉は愛してくれてたはず』という表面だけは耳触りの良い愚か過ぎる嘘を信じる→つまり千吉的な『雑で無下な扱い=愛』と思い込もうとする→でも満足できないので不満が溜まる→雑で無下な扱いの相手に向かってストーカー的に粘着してしまう→本当の幸福な道とは完全にピントのズレた誤ったターゲットに向かってピントのずれたアプローチをしていつまでもあがき執着し続けているので→頑張れば頑張るほど惨めで不幸な無限地獄に堕ちる→その果ては溜まりに溜まったフラストレーションを千吉どころか別のトンチンカンな相手におおいに八つ当たりしてしまう→要するに永遠に八つ当たり的に全世界を恨み憎しみ続ける地獄に堕ちる→果ては周囲の別の人々やら世界中に迷惑をかけ続ける特級呪物化する→あまりの迷惑さに特級呪物として世界に成敗される』事になる。

ところが。

妙子は、一度その罠に嵌まるが、最後にはその罠からちゃんと自力で脱出するのだ…。

つまり三島の女性向け恋愛小説にはその罠を、その遅効性の猛毒を使用せずに♡それでいてそのめんどくさい女心を(私のように身もふたもないこんな否定などせずに)温かく抱きしめるように包容力いっぱいに許し包み込みつつ♡女心をキモチヨクさせる萌え萌えやキュンキュンを目いっぱい詰め込んだ♡乙女心満載な大人も楽しめるエッチナ恋愛小説♡を成り立たせているのだ!

これは、神の仕事である!

完全無化調で煮干しと小麦粉だけで、パンチの効きまくった油ギトギトの濃ゆいラーメンを作るかのような、三島由紀夫だけが成し遂げることができる特別な神がかった曲芸なんである!

こんな繊細な女心を延々と書ける人間なんて絶対に男じゃ無い、それでいて女特有の愚かしさからスパっと離れて客観視している所は女でも無い、そんなアクロバティックな摩訶不思議さ!

そうか。この小説を書いた人は最高にオンナでもあり、最高にオトコでもある人、両性具有的なヒトだったんだ…それが三島由紀夫の本質だったんだ。

きっと三島は悠一やら福島やらに次々と振られて
(女にはそれなりにモテる三島なのに)

僕が本当に好きなのは男なのに、ゲイ界隈ではどーゆー訳か僕は絶望的にモテない、なんだこれ悲しすぎる、と気づき始めた時点で

ヨシ!悠一君やら美輪君やら福島君やらに振られまくった事は諦めよう!

そもそも僕の理想とする究極の愛のすべてを、現実の道端に居る男なんかで実現しようなんて、果てはゲイバーで嫌々身体を売ってる見た目だけちょっと綺麗な男から全部得ようだなんて、そんなの、そもそも、あまりにも愚かしい行動だ!

日常の妥協の中でのリアルの相手と性愛なんてそんなもの、たとえ成就したとしてもすら、どこかしら虚しくなる部分やら隠蔽したほころびに満ち満ちた『欺瞞』でしかないんだ。

それだのにそんな中途半端な失恋ごときに、産まれた時から人間が根源的に持つ苦しみまで全部投影して、自尊心をすっかり失ってメソメソしてるなんて僕、完全に間違ってるじゃないか!

つまり僕は男に振られたから悲しいんじゃない。

恋の苦悩には、いや、人生の苦悩には、はじめから終わりはないんだ。

と悟って。

けなげに吹っ切ったんじゃないかな。

三島…ああ…美しいなぁ。三島は美しい!

ーーーー

さらに三島はその失恋のあたりで

つまり筋トレが最適のソリューションである!
とTestosterone先生と同じ結論に到達したのだ。

。。。

。。。

えーと。

一瞬『ファッ?!』てなりそうになるが要するに

筋トレで体力上げて前向きホルモン出して①問題解決能力つけて②マシな外観を得てすこしでも自分を好きになる事が人生には大切なんだ!

ということね!解る!

ああっ…。そこも美しいわ…美しいのよ三島!

メッチャ共感するわぁ!

あーもう、妙子も、三島先生も、本当に素敵健気

私も彼らみたいに、そういう、両性具有的な気高さと、健気さと、聡明さを獲得したいの!

という訳で体育2な私も、せめて今まで通り、高麗人参飲んで、毎日スマホ首改善体操して、キレート鉄摂取して、脳に血流を送り込み、三島先生の凄まじい自己鍛錬力を遠くから空の星を仰ぎ見るようにあこがれつつ前向きな精神を養う事を続けようと思います。

ただ、えーと筋トレとか自分には無理っす。

(ちなみに大丈夫です、三島先生のようにクーデター&切腹するまで鍛えてウヨろうにも、超根性ナシで体育も2なマヨコには1000%無理ですから…♡…でもね、先生、ねえ聞いて。キレート鉄摂取とスマホ首改善体操と高麗人参続けただけで、ゴミを出せる時間にギリギリ起きれるようになったかならないかなーって程度には元気になりましたのよ♡もう10年になるかしら…継続は力なりですわね♡まあどっちにしてもゴミは夫に出して貰ってますけれども♡)

あっ!そうか!

先生の最終結論は筋トレだから!

だから!この本の題名は!
『恋愛の』『学校』ではなく
『肉体の』『学校』なんですね!!!

そうだったんですね!
なるほど!
なるほドリ!
すっごく納得です三島先生ッ!(嘘です間違いです)


マヨコンヌの理痴的★読書感想文 もくじ

   

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