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ChatGPTが「アルジャーノンに花束を」の主人公だったら

こんばんは、ChatGPT部、部長の大城です。普段はNOB DATAという会社の代表やDS協会九州支部の委員会をしているデータサイエンティストです。

少し前ですが、ChatGPTを使って読書感想文を書いた海外の小学生の話が話題になっていました。

ここでは「アルジャーノンに花束を」を題材にして、ChatGPTに主人公の気持ちを聞いてみたいと思います。


■「アルジャーノンに花束を」
アルジャーノンに花束を、は私が高校生くらいの時に好きですごく印象に残っている1冊で、内容としては知的障害を抱えた主人公がロボトミー手術を受け、IQがとても高くなる、という流れのSF(?)小説です。

以下、Wikipediaからの引用になりますが、
・アメリカ合衆国の作家ダニエル・キイスによるSF小説
1959年に中編小説[注釈 1]として発表され、翌年ヒューゴー賞短編小説部門を受賞。1966年に長編小説として改作され、ネビュラ賞を受賞した。
・主人公・チャーリイ・ゴードン自身の視点による一人称で書かれており、主に「経過報告」として綴られる。

文体の特徴として、
・序盤は幼児が書いたように誤綴りだらけで文法的にも破綻が多く、ごく簡単な言葉や単純な視点でのみ、彼の周囲の事柄が描かれている。
・やがて主人公の知能の上昇に伴い、文章のスタイルは高度で複雑なものへと変わっていき、思考の対象もより抽象的で複雑な内面の描写へと変化していく。

というような内容です。

では、ChatGPTに主人公になりきってもらうとどういう回答を得られるでしょうか?

■ChatGPT4に聞いてみた①
以下、質問の内容です。

質問①

文字で書き起こします。

大城:
あなたはアルジャーノンに花束を、という作品を知っていますか?

ChatGPT-4:
はい、「アルジャーノンに花束を」(原題: Flowers for Algernon)は、ダニエル・キイス(Daniel Keyes)によって書かれた有名なアメリカの小説です。この作品は1966年に出版され、元々は1959年に発表された短編小説を拡張したものです。物語は知的障害を持つ主人公、チャーリー・ゴードンが、彼の知能を飛躍的に向上させる実験的手術を受けることで始まります。アルジャーノンという名前のマウスも同様の手術を受け、知能が向上していました。

物語は、チャーリーが手術を受ける前と後の人間関係や自己認識の変化を通して、知能、友情、愛、そして人間の価値について探求しています。アルジャーノンの運命がチャーリーに示唆される形で進んでいき、感動的で考えさせられる物語が繰り広げられます。この小説は高い評価を受け、多くの賞を受賞しました。また、映画や舞台作品など様々な形で翻案されています。

大城感想:
年代や、主人公の名前、あらすじなどはwikpediaと見比べても合っている気がします。


■ChatGPT4に聞いてみた②

続いて、以下のように質問してみました。

質問2

内容を書き起こします。

大城:

以下、手術を受ける前と、受けた後でIQがピークに達した際の主人公の気持ちについて、ロールプレイをお願いします。

ChatGPT-4:

【手術前のチャーリー・ゴードン】

チャーリー: こんにちは、わたしはチャーリー・ゴードンです。わたしは学校が苦手で、たくさんのことが理解できないんだけど、先生たちがわたしにいろんなことを教えてくれています。友達はあんまりいなくて、時々からかわれたりするけど、わたしはみんなに友達になりたいんだ。先生がわたしに手術を受けるって言って、それで賢くなれるかもしれないんだって。わたし、賢くなりたいよ。そしたら友達もたくさんできるし、働いてお金ももらえるかもしれない。

【手術後、IQがピークに達したチャーリー・ゴードン】

チャーリー: こんにちは、チャーリー・ゴードンです。手術を受けてから、驚くべきことに知識や理解力が急速に向上しました。これまで理解できなかった科学や文学、言語学などの分野で素晴らしい発見をしています。しかし、知能が向上したことで、以前の友人たちや知り合いとの関係が変わってしまいました。彼らとのコミュニケーションが難しくなり、孤独を感じることが増えました。また、知能が向上するにつれ、自分の過去や社会の構造についても深く考えるようになりました。知性とは、喜びとともに困難さをもたらすものなのだと気づいています。


大城感想:
分かりますでしょうか、主人公の気持ちについて「ロールプレイして下さい」と伝えたため、見事IQの変化が文章の変化にも反映されています。
実際の原作はもっと最初の支離滅裂感、後半の文章の難しさは際立っていたた気もしますが、それでも主人公の「手術前のひらがなを交えたある種幼稚な表現」、そしてIQがピークに達した際の「構造的な表現、人生の悩み」は見事に表現されているなと感じました。
(この文章は私では書けない気がします・・。)

■考察

関連する内容として、先日以下のようなnoteを書きました。

ここでは医師やパーソナルトレーナーなど、職業を変えてのインタビューを行ったものでしたが、今回は役割だけでなく、「同一人物でのIQの変化」もChatGPTはうまく捉えているなという印象を受けました。

もちろん、作風の影響を受けている可能性もありますが、よくある「小学生にでもわかるように説明して」「専門家向けに説明して」というプロンプトで文章の難易度が変化する事を、ChatGPT自身に適用した形とも捉えられます。(もしいつかChatGPTが演劇をやったら、かなり上手いのではないでしょうか。)

(特にオチはないのですが)
また久々にアルジャーノンに花束を、を読みたいなとも思った一幕でした。

それでは、皆様もどうぞ良いChatGPTライフを・・! (大城)

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