私の変わらぬ、倫理という愛の唄。

小田和正監督第一回作品の中で、

大手建設企業に勤める正木は、
ライバル企業に勤めていて、ひそかに心を寄せている女性・冬子に、

自身とその企業の倫理を貫くため、
真正面から、闘いを挑む事になります。

私は、その正木の姿勢に
共感が否めませんでしたし、

それは、当時の小田氏の倫理観でもあったのだろうと思います。

そして、正木は、

真正面から闘いながらも、最終的に、
冬子と、冬子の倫理観をも救う事を
忘れませんでした。

そして冬子も、最終的に
それに応えます。


その後急逝した、私の「初めて逢えた生きている父」のようであった演劇の恩師と、
最期にお会いした時の待ち時間に、

何度も 何度も、観た映画です。


当時私は、ちょうど仕事で愛知県芸術劇場の建設に関わっていたため、
身近にも感じる映画として、とても楽しめました。
調光とBGMがとても美しかった。

恩師は、その芸術劇場でのオイディプスが遺作になりました。

2022.1.14筆