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リバーサルオーケストラがとてもよくて沼る

決まった時間にリアルタイムでテレビ放映を見る、という習慣が最近はなくなった。
ドラマに至っては、いつ何をやっているか、今度誰が何をやるかの情報を積極的に仕入れることもなく、ましてや視聴することは稀な私である。

『リアタイ視聴をする=とてもはまっている』
世の中的にもそんな風潮になりつつある。

そんな中で今期はとてもよいドラマに出会えて
毎週楽しみにしているものがある。
門脇麦と田中圭主演の『リバーサルオーケストラ』だ。
毎週楽しみと言ってももう次が最終回なのだが。

最初の視聴はたまたま。
テレビをつけてやっていたのを何気なく見たら、
思いのほかよかった。
失礼ながら全く期待していなかったから、
え?いいじゃんこのドラマ!と思いがけず拾いものをした気分だった。

ストーリーは王道、ベタもベタ。
斬新さはない。
が!
ちゃんと作られていて引き込まれ、気づいたらしっかり1時間見ていた。
脚本も演出も丁寧にしっかり作られていて、
キャスティングもよい。
登場人物のキャラクターと人間関係の描写が繊細で、
なんだかオーケストラのみんなを見守りたくなってしまうのだ。
壁ドンとかああいう恋愛しぐさは
露骨すぎて逆に冷めて一歩引いて見てしまう私のような人間でも、
微笑ましく見ていられるよいさじ加減の優しい恋模様もよい。人を思う気持ちに溢れていて、ちょっともどかしいくらいなのがこちらも優しい気持ちになる。

そして、何より素晴らしいのが、圧巻のオーケストラの演奏。

役者陣は撮影が始まるよりだいぶ前、昨年の夏頃から各楽器や指揮の動きの指導を受け稽古していたらしい。
その甲斐あってか、演奏シーンを見ていても、完全素人目線の私には全く違和感がなく映る。
SNSでの評判をかいつまむ限り、玄人目線からでも非常にうまくやっているとの評価のようだ。

私はクラシックはほとんど聴かない。
超超ポピュラーなど定番クラシックならなんとかタイトルを知っているものが数曲ある、
それもフルでは聞いたことがない、
その程度のお粗末な知識の人間だが、
こうして人間ドラマとともに1曲のクラシックがオーケストラで演奏されるに至るのを見たら、
なんとまあ大感動してしまった。
クラシックでなく、ポップス(緑黄色社会の『Mela!』)を演奏した回もあった。
この回なんてもともと大好きな歌ということもあるが、ストーリーと演出とお芝居のよさも加わって、オーケストラアレンジされた演奏を視聴していたら泣いてしまったし、なんなら今でも見るたびに涙がこみあがってくる。

情熱的な指揮、支えあい響き合う音、それらに応えてより熱を帯びていく演奏。
音楽の一体感が気持ちよくて、演奏シーンは何度も繰り返し見てしまう。

指揮の常葉朝陽役の田中圭が演奏の間に要所要所で笑顔を見せるのだが、
この見せるところがまた、
あなた心得てるねー!!と地団駄踏みたくなってしまうほどいいところで、
こんなん惚れてまうやろー!と叫びそうになるほどキュンキュンしてしまう。
田中圭の使い方の勘所を、制作陣はしっかり押さえている。
カルメンの指揮なんて、情熱的な指揮の中であの笑顔。
ツンデレの極みだ。

谷岡初音役の、門脇麦は悶絶するほどかわいい。
わかるよ、初音っち、そりゃあんなの見せられて常葉さん好きにならない人なんていないよーと共感し、素直って気持ちいいよね、ってほっこりしてしまうのだ。

とにかく
たま響(ドラマの舞台、西さいたまの児玉交響楽団の愛称)の面々が持つ音楽に対するまっすぐな気持ちを軸に描かれた大人たちの青春群像と、彼らの奏でるオーケストラの音楽に、
すっかり魅了されてしまった。

もう最終回か。
さみしい。
鎌倉殿が終わって、リバーサルオーケストラも終わったら、またまたもっと寂しい。

両番組のファンとしては、たま響にはぜひ、
鎌倉殿の13人のメインテーマを演奏してもらいたい。
いや、まじで。神コラボや。


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