櫻坂46「BACKS LIVE」最終日 不在者の存在感


昨晩(2021/6/18)の櫻坂46「BACKS LIVE」はグループの層の厚さを再認識するとともに不在のメンバーたち、フロント・二列目までを固定した8名の「不在の存在感」をあらためて知らしめるものだった。

「BACKS」の良さは良さとして8名がなぜ二作連続でパフォーマンスの中心になったかが自分の中で明白になった。

グループパフォーマンスにおける最前列の真ん中いわゆる「センター」はそのグループの顔、一番目立つ場所、売出しをかけるスタッフからの信任というだけでなく音楽を元にしたパフォーマンスをする際に曲の解釈を明示しダンスの地盤であるリズムを正確に刻むという実際的で重要な役割を担う。

脱退した平手友梨奈さんには(どんなに体調が悪そうな時でも)メトロノームのように正確無比に刻むリズム感があった。「表現」一辺倒の人では無かったのでありそれは代役を務めた小林さん、センターの役割を引き継いだ二期生3名、この4名以外の「エイト」のメンバーたちも同様で、音とパフォーマンスがビタッとハマった時に見る側が感じる心地よさがそこにはある。

立候補制によって各曲それぞれのセンターが立った昨晩の「BACKS」のパフォーマンスは、グループにかける決意、曲を届けたいという熱情、曲の解釈を自分なりに表現しようとする努力という点では申し分なく感動的なものであったがリズムの的確さ、グループパフォーマンスとしての統一感という点でこのメンバーでならもっといけるんじゃないかと感じる部分もあった。

「もっといける」という感覚の源となったのが「不在者の存在感」だったという次第。

不在の8名のポジション+センターを演じるメンバーのポジションを本来は不参加の、或いは別のポジションにいるメンバーが代演する形になりフォーメーションの「統一感」という点に影響が出た、不利に働いただろうことは充分に理解出来るしその不利を補って余りある熱演だったという美点と、自分が所属するグループの曲なのにパフォーマンスチームに選抜されていないから振付を知らない、レッスンも無いという「選抜制」の問題点は指摘しておきたい

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