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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』もはやマンネリ化してしまった「お約束」



監督
コリン・トレヴォロウ
脚本
コリン・トレヴォロウ
エミリー・カーマイケル
原案
コリン・トレヴォロウ
デレク・コノリー
原作
キャラクター創造
マイケル・クライトン
製作
フランク・マーシャル
パトリック・クローリー
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
コリン・トレヴォロウ
出演者
クリス・プラット
ブライス・ダラス・ハワード
ローラ・ダーン
ジェフ・ゴールドブラム
サム・ニール
ディワンダ・ワイズ
ママドゥ・アティエ
B・D・ウォン
オマール・シー
キャンベル・スコット
音楽
マイケル・ジアッチーノ
撮影
ジョン・シュワルツマン

 『ジュラシック・ワールド』、または『ジュラシック』シリーズ完結編である今作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は、前作『炎の王国』で広げた大風呂敷を台無しにし、シリーズでの「お約束」の部分を倍増にした結果、お世辞でも誉めることのできない凡庸以下の映画になってしまった。

「恐竜と人類は共存できるのか?」、「未曾有の危機に対して、社会はどのように変容していくのか?」といったようなコロナ禍にさらされた現在の人間社会と照らし合わせた世界観構築を『炎の王国』の結末からいくらでも想像し得たはずだか、この映画その点を等閑にしてしまっている。    

それをカバーするための製作陣の

「恐竜をたくさん出してサービスサービス!!きっと楽しい映画になる!!」

という思い切りの良さは今作の数少ない美点だと言えるだろう。

しかしだ、シリーズ6作を通して「お約束」のように繰り返されてきた限定空間での恐竜との逃避行は、いくら今作で倍増されているとはいえ、お世辞でも全編を通して楽しめるものにはなっていない(スパイ映画的な展開も後が読めるものばかりでとても期待はずれだった)。
いくら恐竜の量を増やしたからといって、逆にマンネリ化してしてしまうだけである(たくさんの恐竜たちをスクリーンでみるのは確かに楽しいが、ペルム紀に存在したディメトロドンの登場など、もはやジュラ紀と全く関係なくなってしまっているのをツッコんでしまうのは野暮であろうか?)

ラストの偽善に満ち溢れたナレーションとともに映し出される現在の恐竜が共存する自然の風景は、全く美しくなく、最低だとも思えた。
シリーズ完結編として最悪の出来だったと言ってしまうのが本音である。


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