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【Boushitsu Advent Calendar 2020】自然に還ろう!のコーナー

 旅の形は無限に存在する。旅の位置づけを「目的を持った移動」としたとき、それは古来人類が大陸を渡るようなものから、近所の散歩のようなものまである。(要検証)

その中で今回紹介するのは「一人旅」である。

 なぜ「一人旅」なのか。それは一人旅によって自然に還ることができるからだ。今回は旅を通して自然に還った経験を述べていきたいと思う。

① 興津宿~由比宿

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秋先の晴れた日突然「富士山見に行くか~」と思い立ち静キャンに遊びに行くついで(静大祭やってた)に富士山を見に行った。

見たときの感想が喜びよりも安堵感が大きかったことを今でも覚えている。 今までの人生で3,4回ほど富士山を身に旅行に行った事あったのだがことごとく雨や曇りで一度も目にしたことがなかった。そんな中でのこの見事な佇まいだったので「あぁ、静岡に来たんだな、静大生なんだな」と感想を抱いたときでもあった。

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その道中でも、普段人と建物の隙間を歩いていた自分には水の色や森の緑から道端の草花までいろんな自然があることを改めて学ぶことができるいい機会だった。

② 乳岩峡

「そろそろ山に籠るか」と思い立ち夏休みの終わりに向かった、乳岩峡は愛知県新城市にある。この辺りはいよいよ観光客も町の人もいなかった。しかも特別観光用の道がよくできていたわけでもないのでただの登山になってしまった。

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しかしながらなんと透き通った水場であろうか。思わず駆け寄り水浴びをしたときにはついに野生を思い出したのかと思った。

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また自然と調和した橋はそこにあるのが当然であるかの如く静かに歩行者を待ち構え、錆びれながらも安定感を感じたものであった。人工物の安定感に心打たれる経験は今までになく、ものづくりをする身としては非常に感動的な建築物であったと感じたものだ。

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山頂はただそこには森だけが広がり、特別景色がきれいなわけではなかった、しかし達成感は何にも変えられないものであった。

③ 井川周辺

大井川鐵道を使って静岡の北部へ進み、山を歩き回る。これも「そろそろ出家かなぁ...」と思い行きました。

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川根小山では発電所跡を見学した。私はどうやら自然に還るものが好きなのかもしれないとこの時ふと思った。

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分け入っても青い山とはよく言ったものです。


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この写真を撮った時にもしそこに鉄橋がなかったら、と考えたがそうであったらただの自然であっただろうし、それは目に留まらなかったであろう。しかしそこにモノがあることで初めて美しいものと出会えたのではないかと考えた。ただそこにあるだけでなく控えめにある、というのがまた美しいのかもしれない。


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この辺りまでくると風の音、動物の鳴き声、足音、息遣いぐらいしか聞こえるものがない。普段街の喧騒やイヤホンからの音しか聞いてこなかった私の耳には、異質さと心地よさ、人間がもともと森と暮らしていたこと思い出させるような、不思議な感覚を味わうことができた。

最後に

 自然に還る、と聞くと一見難しそうに聞こえるかもしれないが、自然に身を置き、深呼吸をし、あたりを見回せば草花の香り、広がる木々、そして絶えず流れる川。あっという間に自然に還ることができる。そうすると自分がいかにこの広い地球の小さい一人なのかを改めて感じることができる。それと同時に自分を受け入れているの自然の寛容さを称賛し自らもその一員になることができるのではないかと考える。人生につらくなり見るものが汚く見えたとき、自然に還ってはいかがだろうか。