喫煙、飲酒で五輪辞退の体操女子・宮田笙子 以前から素行の悪さ問題視 喫煙で過去に「厳重注意」の証言も

スポニチアネックスより
日本体操協会は19日、東京都内で緊急会見を開き、パリ五輪女子代表主将の宮田笙子(19=順大)に代表行動規範の違反が認められたため、出場を辞退したと発表した。情報提供をもとに18日午後にフランスから緊急帰国した本人に聞き取り調査し、6~7月に喫煙と飲酒行為があったことが確認された。開幕までちょうど1週間。故障など以外では日本選手団五輪史上初の出場辞退で、海をまたいで大きな衝撃が走った。

前夜に発覚した不祥事は、情報提供からわずか5日間という短期間で大きな決断が下された。会見冒頭で陳謝した藤田直志会長に続き、マイクを握った西村賢二専務理事は、「事実確認の結果(協会と宮田の)両者で話し合い、出場辞退に至ったことを報告する」と説明。日本オリンピック委員会(JOC)によれば、夏季、冬季を問わず一度認定された選手が故障など以外で出場を辞退するのは、日本五輪史で初のケースだという。

西村氏の説明によれば、事前合宿地のモナコの強化本部に宮田の喫煙と飲酒に関する情報提供があったのは15日。翌16日に本人が大筋で認めたため、事態を重く見て一時帰国を指示。18日夜に都内で両親や弁護士立ち会いの下で西村氏らが聞き取り調査を行った。宮田は「かなり憔悴(しょうすい)している様子」だったという。法律では飲酒、喫煙は20歳まで認められていない。代表活動中は20歳以上でも喫煙や飲酒を禁止すると定める協会の代表選手行動規範に違反したと認定。常習性も疑われるが、「本人が各1度と説明したので、我々はそれを信じる」とした。

衝撃的だったのは前夜の段階で発覚した喫煙に加え、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)の居室内での飲酒が判明したことだ。選手やスタッフら、限られた人物のみが立ち入れるNTC内での行為だけに、宮田に近い体操関係者による通報の可能性が高い。西村氏も「内部通報者ということは、田中本部長からも直接聞いている。決して外部からではない」と認めた。関係者によると、宮田に対して以前から素行の悪さを問題視する声があり、喫煙について「過去に厳重注意を受けていた」との証言もある。

1人の愚行により、残された4選手は窮地に追い込まれた。60年ぶりのメダル獲得が目標だった女子団体だが、戦力ダウンは計り知れない。エントリー期間が終了しているため、病気やケガなどの理由を除いて選手の入れ替えは不可能。補欠で同行中の杉原愛子(TRyAS)の繰り上がりは認められない見通しで、1減のままの戦いを余儀なくされる。

海外開催では史上最多の400人超えの選手団を結成し、メダル量産へカウントダウンが始まっていた中での裏切り行為。波紋は収まらぬまま、女子は28日に予選を迎える。

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