感想 僕しか知らない兄の顔2

サークル『久米』様

大好きな前作からの続編だ!!!と気付いた瞬間に買い物カートへ即投入(仕事中)即読破(業務中)即悶絶感動(勤務中)してしまいました。
今でこそ自分は大人になって社会人となり、彗くんみたいな子にも優しくしようと思えるようになりましたが、案の定、思春期の頃は彗くんタイプを見ると、正直言うと天明が彗くんに抱いたような……嗜虐というか、そういう、イラァ~~ってなってたタイプで、当初、この作品は前作では彗くんの心情にリンクして、人生、どうしようもない嫌な時でもどうしようもないときあるよね……みたいに思ってましたが、今回の冒頭でいきなり天明側の立場になってしまって、今までの本作に対する見方……というものもガツン!と変わって、いや、これは、、、どうなるんだ……(僕の情緒)……と言った感じで読み始めました。
彗くんからしたら兄は徹頭徹尾、嫌いな存在で、優しくされたから、気持ちよくされたから、好きになる……わけないんですよ。嫌な相手にはどんなに好意を向けられても、やっぱりそれがマイナスからプラスになるってなくて、そして、天明が「自分はまだ大丈夫(好きになってもらえる可能性がある)」というような、典型的な男アルアルの勘違いして、勝手に嫉妬して、自分に酔って、その場のノリで言葉を口にして、こういう描写、そう!!!!!!!!!これ!!!!!!!!これなんですよ!!!!!!!!!!!!って、本当に、これ!!!!!!!!って。
もう本当にこういうのが描ける作家さんって大好きで、そう、ヒトのココロはそんなに簡単に変わらなくて、どろどろのグレーな感情を抱えて、その中でどうにか日常を乗り越えていっていて、その「どうしようもなさ・ままならなさゆえに感じる背徳感、嗜虐感、つまり、エッチさ」というのがすさまじいな、と。
凌辱やバッドエンド、快楽堕ち……ではないんですよね。この心に残るメリーエンド……とはまた違った、より更に、心に残る読後感。
このお話を練るのにどれだけ心を砕き、こだわったのか、その深さを、本作は一読するだけでわからせてくれました。
ちなみに一番好きなのは加島くん関連です。加島くんが普通の男の子してて普通に悩んでいて何の悪気もなく彗君と絡んでるのがね、、、、本当にたまらないです(真剣顔

この度も最高の作品をありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?