『うたかたの星』ネタバレ解説

Lステ4千葉で頒布しました諸星すばる小説「うたかたの星」をお手に取って下さりありがとうございます。

本記事は既にお読みいただいた皆様に対して、解説や裏設定を垂れ流す記事ですので、ぜひ、読後に見て頂けましたら…とご留意願います。


『お月様の名前を伏せたことについて』
お月様の正体は100%みんなわかってることだと思うので今更ここで名前を出すのも粋じゃないなと思うので名前は出しませんが、ではなぜ名前を伏せたかというと「彼女の正体を確定存在にしたくなかったから」です。
たぶん誰一人意味わかりませんよね。
実は老人とお月様は小生初期頃の作品「月夜にとけて消えた物語」の主人公と相棒のパラレルというか可能性のひとつというか、手塚先生のスターシステムみたいな感じだと思ってください。
しかし本作は「マスターとすばるの物語」であり、彼らはあくまでも彼らの物語の住人なので名前を伏せました。


『老人はどうやって山頂まで来たのか』
お月様の不思議パワー。そもそも協会の創立メンバーの一人が老人。

『なんでお月様は重要ポジなのに見捨てられていたのか』
原作準拠。さらには「月夜~」を読んで♡(ダイレクトマーケティング


『マスターについて』
マスターとすばるは出会って結構立ってます。マスターは社会人ですが、読まれた方からしたら作中の彼の精神年齢(独白)は若そうだなってイメージを受けたと思います。
それは、マスターがすばると出会い、すばるにとらわれたことによって、彼とすばるの時間の流れは隔絶されました。もちろんマスターは普通の人なので、普通の人のように老いていきますが、ヒトと言うものは周囲の関係性によって精神・性格へ多大な影響を受けるので、不変であるお星さまと常に繋がっていると、良くも悪くも彼女に引っ張られるんですね。
たぶん何を言ってるのか意味が分からないと思うので、まあ思ったよりもマスターは年齢を重ねている(とはいえ20代)と思ってください。

『すばるについて』
すばるにとってマスターとは、幼少期より見守ってきた家族であり、相棒であり、恋人であり、親友であり、息子であり、父親であり、お互いの欠片をお互いが補い求め合う存在です。
ちなみに小生が作中で一番好きなシーンは、嗚咽を押し殺して泣いている場面です。
このシーンで感じ入ってもらえたら個人的に本当に嬉しいです。

『クリカラについて』
老人が語っていた鰻のくりからについてですが、これは完ぺきに小生の独り言パートです。小生は幼い頃、魚屋を営む祖父母の家で育ちました。そこで鰻のシーズンには鰻の端材、いわゆる「クリカラ(この呼び方はしてなかったですが)」をいつも食べていました。
僕はたまに、ふらり入った鰻屋でクリカラを見つけると必ず注文し、蘇る祖父母の思い出とともに、ほろ苦い鰻を味わっています。

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