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勇気を出す言葉

誰でも、一生に何回かは「思い切ってやってみる」場面に遭遇すると思う。それは、発表会の舞台かもしれない。受験の会場かもしれない。就職の面接かもしれない。海外留学かもしれない。結婚のプロポーズかもしれない。
こういった場面ではとにかく「勇気」を必要とする。怖気付きたくなる気持ちを抑えてえいやっと飛び込むのだ。なんとかして自分の勇気を奮い立たせなければならない。そんな時に役立つ様々な方法が昔から考案されている。平常心を保つために手のひらに文字を書いて飲み込む仕草をしてみたり、決まったことを念じながら体に力を入れ、直後に脱力してみたり、決まった言葉を唱えたり、それは人それぞれたくさんあるようだ。
私がデンマークに一人で留学しようと思った時も人生で初めてのことだらけであったので少なからず勇気が必要だった。その勇気を得るために、振り返ってみると自分は3つのことをしたようだ。
一つ目は、58歳の自分をさらけだして期限を切って周りに宣言したことだ。ある意味、これで引き下がれなくなった。退路を絶って後ろを見る必要がなくなったせいか、不思議なもので留学のことだけを考えられるようになった。
二つ目は、留学の目的を公表してクラウドファンディングを募ったことだ。フォルケホイスコーレは費用が安いとはいえ相応の費用がかかることに違いはない。その費用を留学の目的を達成するという縛りをつけて捻出したのだ。これで留学中の中だるみや目的がぶれてしまわないようにできた。この時にも自分を大いにさらけだすことになったので、「もう、やるしかない!」と、ますます留学へのモチベーションが上がってきた。
最後の3つ目は、言葉である。「人生は一度きり」。特に私のように高齢になってくれば、これが最後のチャンスだという意識は強い。今しかない、という気持ちは私の前のあらゆる障害に私を体当たりさせるだけの勇気を与えてくれた。
日常の生活で「体当たり」することはあまりないかもしれない。しかし人生の中でいつか必ずそれは来る。デンマーク留学は実際には体当たりの連続だった。10ヶ月間体当たりし続けたおかげで、残りの人生も体当たりしていこうと思えるようになったし、体当たりする=思い切ってやってみることを、日常に持ち込めるようにもなってきたようだ。それがどんな意味を持つのかって?それは人生に意味をつけるということだ。


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