見出し画像

ギター⑬ ギターを買って一日目にやる練習


 初めてギターを手に入れて、自宅で抱えたとき何をするのが良いかを考えてみます。
 大抵の指南書では、ドレミを弾いてみろ、とか、かんたんなコードで曲を弾いてみよう、と教えます。
 
 実は、この一日目に何をやるかがが今後の上達に大きな影響を与えます。
 演奏技術には、「早さ」「大きさ」「音質」「手順」など種々の要素がありますが、一番大事なのは「音質」です。
 とりあえずコードを一つだけ覚えます。
 EとかGがいいでしょう。
 最初は誰かにチューニングしてもらうのがいいです。
 時間を掛けてコードを押さえて、6弦からゆっくり弾きます。
 どんな強さで弾くと音が良いのか。
 どんな早さで弾くと、気持ちの良い和音になるのか。
 
 手にギターが馴染むまで、ピックを持っている手が自然な感じになるまで、そのコードだけを弾きます。
 おそらくこれにまる一日かかります。
 見事に一曲弾ききって、エンディングで「ジャーン」と鳴らして拍手喝采をもらう、と幻想してそんな音が出るまで続けます。
 こうすると、音楽としてギターが鳴らせるようになります。
 
 これをやらずに、コードをいくつか覚えてたどたどしく曲を弾いてしまうと、ギターを鳴らすことが「作業」になってしまいます。
 一度、作業としてコードを鳴らすことを覚えてしまうと、そこから「音楽」になるのには大変に苦労します。
 
 やるのは音楽です。
 音楽としてギターが鳴らせるようになるまで、次のコードを覚えてはいけません。
 その頃には、ギターがすっぽりと身体に収まるようになっているでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?